料理レシピをTATTOOシールにして「手首に貼る」という、イタリア人的発想がナイス!
いかにもイタリア人的な感覚から生まれた、アソビ心満点の転写式タトゥーシールのご紹介。でもこのタトゥー、貼る場所までちゃんと決められているのです(一応)。それは、手首の裏から肘にかけて。目的は料理中の“チラ見”にこそあります。
料理本もタブレットも不要
手首にレシピを直接貼る!
こちらの写真。南イタリア料理の定番メニューのひとつ、ドライトマトとアンチョビを使ったパスタです。材料はそろった、いざ調理開始!となるはずのところで、ニンニクの皮を向くのかと思いきや、女性が手にしたのは包丁でもまな板でもなく、材料とともに写真の中にある一枚のシートでした。
透明のシートをはがして手首に貼り付けて、上から水を数滴。ゆっくり裏紙をはがしていくと…ピタッ。
「懐かしいー!」と思わず語尾が延びてしまう人も。誰もが子どものころ一度は経験したであろう、あの水で転写させるタイプのタトゥー(転写シール)ではありませんか。じつはこのタトゥーに、調理レシピがバッチリ記されているんです。
腕を“チラ見”するだけでおいしい料理が完成
イタリア人女性デザイナーユニットが考案した、タトゥー型のレシピ「I tradizional」。役に立つかどうかは別として、おしゃれなパッケージやイラストと、何より斬新すぎるこのアイデアが意外にウケているようですよ。
レシピタトゥーとともに、添付されている切り取り式の「冊子」には、使用する材料の量や、それぞれの切り方、火の通し方が箇条書き細かく記されています。これを持って買い物に出かければ、買い忘れる心配もなし。で、タトゥーの方はというと、基本イラストのみの構成。こちらは、視覚的に調理の工程を示すものとしての意味合いのようです。
つまり、あらかじめどの材料をどのくらい用意しておくかは、シートで確認しておいて、調理の要所を手首のタトゥーで確認するといった具合の使い方がいいんでしょうね。
たしかに、これなら毎回パタパタと閉じてしまう料理本を、真ん中からギューっと押し潰す必要もないし、点けてはすぐ消えるタブレットの画面を、濡れた手でタッチする手間も要りませんよね。もしかしたら、それがウケている理由かも。
アーティチョークを丸ごと使ったおばあちゃん直伝の煮込み料理も、これさえあれば簡単に再現できる!そうです。
もっと、アソビ感覚で料理をつくっちゃおう!
イラストは、すべて手書きのオリジナル。単に料理をつくる目的だけじゃなく、その後でも腕からはがさずおしゃれタトゥーとして残しておける。余計な文言を乗せるよりも、ビジュアル優先で行こうと決めたのもその理由から。
他にも、スイーツやカクテルドリンクのレシピなど、バリエーションは徐々に増えていき、現在ではパーティーやフードイベントの場において、I tradizionalを実際に手首や腕に転写してみんなで料理をつくる企画が人気なんだとか。
最後に、このI tradizionalの生みの親、開発デュオのMarina CinciripiniさんとSarah Richiusoさんのコメントを紹介しましょう。デザインの一番の目的は、「若い世代の人たちに、もっと手軽にアソビ感覚で料理を作る楽しみに触れてもらいたいから」。
人生の楽しみ方を熟知した、イタリア人らしいこのアイデア。どう、ナイスでしょ?