五香粉を使った「肉料理レシピ」

好き嫌いがハッキリ別れるスパイスのひとつに五香粉があります。中国語では(ウーシャンフェン)。これ、中国料理や台湾料理にだけ使われるイメージですが、実際のところ五香粉を料理に用いる国は広いって知ってました?

「五香粉」誕生の背景

世界には350種以上のスパイスやハーブが存在すると言われます。このスパイスを目当てに、大航海時代、多くの冒険者たちが海を渡りました。古くから世界で親しまれ、今も多くの国で愛用されているのが、コショウ、クローブ、ナツメグ、シナモン。じつは五香粉はこのうち3つが用いられた、いわば“SpiceオブSpice”なんです。

こうした中国生まれのスパイスの特徴は、漢方でいうところの「生薬」として、スパイス感覚で使われていたこと。その薬用効果としては、胃腸の調子を整えたり、消化促進、鎮痛作用もあると考えられ、薬膳料理などに多く使われてきました。

ところで、五香粉の構成要素って?

五香粉というからには、香るスパイスが5つ入っていると思いがちですが、じつのところ、使用するスパイスは必ずしも5種類とは限らないんだそう。

一般的には山椒、花椒、クローブ、シナモン、ここに八角(スターアニス)やフェンネル、陳皮、ナツメグなどの中から5つにブレンドされて出来上がるそう。けれどどうやら考え方は一緒のようで「四香一辛」、つまりはフレーバーを楽しむ4つのスパイスに、ピリリと効かせる辛味を1つ混ぜるのが王道。地域によってブレンドが異なるようで、例えば中国南方部では八角が好んで用いられるようです。

五香粉を使うメリット

さて、五香粉が肉料理に多く用いられる理由を知っていますか?ここが冒頭の好みの分かれるところでもあるんですが、独特のあの香りを利用して、臭み消しにもこのスパイスは常用されています。また、煮込みだれとしても秀逸です。下味に臭い消しに、香りづけに、こうした万能な用途も五香粉のメリット。

では、実際どんな料理に向いているのか、紹介していきましょう。ほんのちょっとまぶすだけでも、中国料理の味の決め手になりますよ。

五香粉を使ったレシピ

【香味チャーシュー】

肉や内臓料理を好んで食す中国の人たちの定番、豚肩肉のブロックを塩コショウに加えて五香粉を振って揉んでおきましょう。お肉の匂いが気になる人はぜひ試してみてください。もちろんタレにも五香粉を。しっかり揉み込めば、中華料理独特のあのチャーシューが自宅で再現できます。

【五香粉たっぷり、台湾風唐揚げ】

いつもの定番の鶏肉の唐揚げが台湾屋台料理の一品にアレンジできてしまうのも五香粉あればこそ。醤油や調味料と一緒につけ汁に混ぜてもいいし、カラッと揚げたてにふんわり香りを引き立たせるならば、揚げる直前、片栗粉に直接混ぜて衣をつくりましょう。

【スペアリブ】

スターアニスの香りを効かせたスペアリブはいかがでしょう。東南アジアのアロマが食欲をそそる五香粉のスペアリブ。こちらもつけダレの中にささっとひと振りしておいて、コトコトじっくり火を通していきましょう。仕上げにもうひと振りすれば、いつものがっつりスベアリブもトーンの違った味わいが楽しめます。

そうそう、ベトナムをはじめインドシナの国々でも五香粉は使われているので、エスニック料理にチャレンジするときなど、ハーブの代用として、もう一振りの香辛料に、おすすめ。レシピの幅が広がりますよ。

例えばマレー半島の名物料理「肉骨茶(バクテー)」を自宅で再現するときなど、、五香粉は欠かせません。現地でスープだけ買うと、よくそのまま生薬がごろっと入っていたりしますよね。

最後に余談ですが、中国にはこの五香粉のさらに上を行く「十三香(シィーサンシャン)」なるものも存在するとかないとか。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。