自分が「どう見られているか」、どうでもよくなっちゃう。—— 絵本『わたし』

いま、おとなに、ひつようなもの。

 

むつかしい言葉もけっこう覚えたし、漢字だってそれなりに知ってる。文字ばっかりの分厚い本だって、読めるようになったよ!

ちいさな頃、眠るまえに読んでもらっていた絵本。
最後のページをめくったら、その日もおしまい。おやすみなさい。

だけど、「おとな」になったいま、夜はいろんなこと考えちゃう。言葉がたくさん書いてある本を読んだあとは、すぐに「おしまい、おやすみなさい」ってわけには、なかなかいかない。

だから、もう一度はじめてみよう。眠るまえの、絵本の時間。

「わたし」
谷川俊太郎 ぶん 長 新太 え(福音館書店)


そうか、結局のところ、たとえば10人が自分を見たときに思うことなんてきっと10通り、いやきっとそれ以上ある。それなのに、ついつい、「みんなに」こう思われたいな、なんて思っちゃう。

おとなになって、かかわる人が増えれば増えるほど、自分のなかに、自分が増えていく。それが、まちがっているような気持ちになったりもする。

だけど、毎日あたらしい日を生きているからこそ、きのうよりもきょう、きょうよりもあした、自分は増えていく。そんな自分を、あの人たちは、どう見るだろう。聞いてみたとしても、やっぱりきっと、答えはそれぞれ。でも、こう見られたいっていうのは、大事にしていいと思うんだ。

なんとなく、なんとなく、日々見えかたが変わっていく「わたし」に、胸をどきどきさせて、この絵本はおしまい。

それでは、おやすみなさい。

 

『わたし』谷川俊太郎 ぶん 長 新太 え(福音館書店)

わたしは山口みち子、5才。お兄ちゃんからみると“妹”でも、犬からみると、“人間”。わたしはひとりなのに呼び名はいっぱい。社会関係が楽しく描かれた絵本。

Top image: © 2018 TABI LABO
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