トップモデルのカーリー・クロスが、今学んでいること
突然ですが、僕にはコーダーの友だちがたくさんいます。不思議なことに皆男性です。女性は一人もいない。これは偶然?
――1995年にWindows 95が登場して以来、コンピューターは私たちの日常生活に大きな変化をもたらしました。しかし、コンピューティングやコーディングは常にパブリック・イメージの問題を抱えてきたと思います。それは、“コーディングは白人または東アジア人の仕事。それも人付き合いが苦手そうな男性がするもの”というイメージ。ハイテク産業は多様性に乏しいのが現状です。
しかし、2012年に設立された『フラットアイアン・スクール(Flatiron School)』が、今この流れを変えようとしています。
この学校は、ブートキャンプ、コンバージョン、オンラインコースを提供している、いわゆるプログラミングスクールです。特筆すべきは、これまでコンピューターラーニングやコンピュターサイエンスの勉強をする機会がなかった人々に学びの場を提供していること。GoogleやApple、NASAなどに雇用された卒業生もいて、実績も十分です。
『フラットアイアン・スクール』の創設者は、ハーバード・ビジネススクール卒業生で経営管理とビジネスポートフォリオを学んだアダム・エンバーと独学で企業の最高技術責任者になったプログラミング指導者、アビ・フロムバムの二人。しかし、じつはもうひとり重要人物がいます。
コーダーのイメージを覆す可能性を秘めた、この女性です。
彼女の名前は、カーリー・クロス。世界でもっとも成功したトップモデルのひとりです。
188cmの長身とスリムでエレガントな風貌で、メジャーブランドのモデルを務めてきたカーリー。彼女は『フラットアイアン・スクール』でコーディング技術を学んでいて、YouTubeチャンネルではその様子を紹介しています。
彼女が率先してコーディングにとりくむ目的は、女性に業界への参入を促す効果があるでしょう。『Kode with Klossy(コード・ウィズ・クロシー)』と呼ばれるこの取り組みは、アメリカの主要都市において2週間集中コースを無償提供しています。参加条件は、都市部に住む13歳から18歳までの女性。
コード・ウィズ・クロシーのWEBサイトによると、コンピューターサイエンスの学位取得者のうち、女性はわずか18%であるにもかかわらず、女性がリーダーシップをとるテクノロジー系スタートアップ事業は、成功率が2.3倍も高いそうです。
この流れは、企業にとって新たな人材発掘の鍵となるかもしれません。