アレキサンダー・リー・チャンの育児グッズ。抱っこしたままでもサマになるモッズコート
人にもモノにもストーリーがある。逆に言えば、ストーリーがないモノに僕らは惹かれない。
そんなストリート世代特有の価値基準はパパになっても健在。どんな時代でも軽やかに柔軟にマイウェイを貫いてきた、ストリート世代パパたちが選ぶ、男ゴコロをくすぐる家事・育児グッズを紹介します。
題して「DADTOOLS」。
実用性とうんちくのハイブリッド。ママも必見、スタイルのあるパパたちのモノ選び。第4弾はスケーターであり、デザイナーでもあるアレキサンダー・リー・チャンさん。
1990年代のスケートシーンを牽引したリーさん。現在もプロスケーターとして活動する傍ら、アパレルデザイナーとしても自身の名を冠したAlexanderLeeChangを運営しています。
4年前に長男が生まれ、ストリートキッズもいまや立派なパパ。子育ての実体験をベースに開発した、抱っこしたまま羽織れるモッズコート「freaks mods coat」がリーさん推奨の育児グッズ。
“抱っこ時のスタイル問題”を
スマートに解決するコート
なんでもこのアイテム、お子さんの誕生をきっかけに開発したものではなく、プロトタイプが存在するんだそう。偶然の産物のようなひらめきが、パパとなったリーさんに訪れました。
「もともとは前身頃の長いパーカーだったんだけど、長男が生まれたあと久しぶりに着てみたら……あれ、これ使えんじゃね?って」。
そもそも前身頃の長いパーカーをデザインしているという時点で、リーさんの遊び心が垣間見えますが、実際のところ、寒い時期に子どもを抱っこしたままお出かけする際のスタイリングは悩ましい。普段のコートでは前が閉じないし、オーバーサイズのものでは野暮ったくなるし。
「抱っこしている状態でも、していなくても、開いても、閉じても、サマになるコートがあればいいんじゃないかと。モッズコートってもともとオーバーサイズに着るものですし、そういう要素を過去のアイテムに注入していったわけです」。
長い前身頃で抱っこしたまま包めるうえに、腕周りや背中はすっきりしたシルエット。抱っこしていないときでも、前身頃を折りたたんで着用できる優れものなのです。
境界線をつくらない
ミックスカルチャー的スタンス
あらゆる要素をミックスして自分なりのスタイルを生み出す。これこそストリート世代特有の前向きなDIY精神。なにかひとつにストイックになりすぎず、ほどほどを保ちながらデザインや街着の感覚を大切にしたい。リーさんのものづくりのスタンスです。
デザイナーがスケーターだからといって、スケートに特化した服ばかりの提案ではなく、デッキに乗る人もそうでない人のことも考えてつくられた、街に繰り出したくなるカジュアルなウェア。それをどうスタイルに取り入れるかはこちらに委ねる。だから、あえてパパ専用とか、育児用とカテゴライズしたくないともリーさん。
「着る人をあまり限定したくないんですよね。パパもママも、そうじゃない人が着てもカッコ良くなければ僕がつくる意味がない。そういう視点はつねに持っています」。
子どものためにスタイルを変えるのではなく、育児もスタイルのひとつに取り込むように。毎年少しずつアップデートされるモッズコートに注目です。
freaks mods coat 18 4万3200円(税抜)
ゆったりと体を包み込む様な変形モッズコート。ラフに羽織ることで生まれるドレープ感も魅力。2016年SSより展開し、毎年マイナーチェンジをしながらアップデートしている。今シーズンのものは残念ながら完売中。最新情報はブランドサイトをチェック!