「シャツ」の背中に「輪っか」がついている理由
今着ている、もしくはクローゼットに仕舞われているシャツの背中を見てください。
左右の肩甲骨を結ぶ線上に、シャツと同じ生地の「輪っか」がついていませんか?
もしそこになければ、襟の裏側や首の後ろのタグのあたりについているかも……。タグの近くについているものは、布製ではなく、金属のチェーン状のものかもしれません。
さて、この「輪っか」が一体なんのためにあるか知っていますか?
この「輪っか」の正式名称は「ハンガーループ」。
その名の通り、これはシャツを「吊るす(HANG)」ための「輪っか(LOOP)」であり、1900年代初頭に作られたトラッドなスタイルのシャツ(ドレスシャツ)にも存在するディテールなので、おそらくは世の中にシャツというものが誕生した直後に設けられたパーツと考えられます。
当時は現代のように三角ハンガーに衣類をかけて保管する風習がなく、壁やドアに取り付けられたフックや先端がボール状になったコートハンガーにかけるのが一般的だったため、シャツそのものに「輪っか」をつける必要があったのです。
もちろん、現在市場に出回っているシャツに装備されているフックハンガーは、実用ではなく装飾としての意味合いが強く、型崩れや破れの原因にもなるので元来の使い方はしないほうがいいでしょう(笑)
※上記、諸説あり。
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