アメカジの定番「ヒッコリーストライプ」が生まれた理由

意味や理由、歴史を知れば、ファッションは今よりもっと楽しめる──。誰かに話したくなる、ファッションやアイテムのあんなこと、こんなこと。

アメカジアイテムの定番のデザインパターンであるヒッコリーストライプ。

デニム生地に白い糸で細い縦縞模様を施したもので、100年ほどまえのアメリカにおいて主要な輸送インフラだった鉄道の作業員が着用するために考案され、1927年に「Lee」社がヒッコリーストライプと名付けて販売したのが、その歴史のはじまりとされています。

当時のデニムは、鉱山労働者やカウボーイなど、過酷な現場で働く男たちのワークウエア。そのため、洗濯もあまりせずに着倒して、ボロボロになったら捨てる、まさに消耗品という位置付けだったようです。

そこで、汚れがなるべく目立たないようにとの配慮から、デニム生地に縞模様を施したといわれているのですが……さて、なぜ「白」をチョイスしたのでしょうか?

その理由は「青と白のコンビネーションが、涼しげな色味だったから」──。

いわゆる“プラシーボ効果”ともいえるのですが、暑い蒸気機関車のキャビン内で働く鉄道作業員たちは、見た目や色合いにも涼を求めていたんです。

ちなみに、ヒッコリーストライプのアイテムの相棒ともいえるワークキャップですが、その原型を作ったのもユニオンパシフィック鉄道に勤めていたエンジニアだといわれています。

野球の試合用にヒッコリーストライプの生地を使って帽子を仕立てたのがはじまりとされ、今でもユニオンパシフィック鉄道の運転手の制服にはヒッコリー柄のキャップがラインナップされているそうです。

島倉弘光/「MAINE」企画担当

1988年創業の老舗インポートセレクトショップ「MAINE」に学生時代からアルバイトとして勤務。現在はバイヤーを務めるかたわら、オリジナルブランド「CAMCO」や「BAGGY」の企画を担当している。

【「MAINE」ホームページ】https://www.maine1988.com/

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