パンツの「左のヒップポケット」にだけボタンがついている理由

スーツのパンツやベーシックなデザインのワークパンツなどの「お尻のポケット=ヒップポケット」を思い浮かべてください。

左のポケットの入り口にだけフラップ(フタ)やボタンが配されているイメージはありませんか?

「ただのデザイン上のアクセントでしょ?」なんて思ったら大間違い。そこには、深い歴史と意味が隠されているんです──。

「ヒップポケット」には、もうひとつの呼び名があります。

その名も「ピスポケット」。「ピス」とは「ピストル(Pistol)」の短縮形であり、そもそもパンツのお尻のポケットは「ピストルを収めるためのポケット」だったのです。

不穏な空気を感じたら、相手よりも速く銃を抜き、撃つ。

そんな“やるか、やられるか”のシーンで遅れを取らないために、多くの人の利き腕がある右側のポケットにはフラップやボタンを設けなかったといわれているんです。

では、なぜ左のポケットにはボタンがついているのか......。

ここからは個人的な推測ですが、当時の拳銃は「リボルバー」と呼ばれる装弾数の少ないモデルだったことが予想されることから、弾切れに備えて銃弾を収めていたのではないかと考えています。

ちょっと物騒な理由ではありますが、現代では「スマホはボタンつきのポケットのほうが安心」なんて重宝がられていることを考えると、ものの意味や価値は時代とともに変化するものだということを実感させられます。

※上記、諸説あり。

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