世界初(?)の高機能素材「ロクヨンクロス」とは?

意味や理由、歴史を知れば、ファッションは今よりもっと楽しめる──。誰かに話したくなる、ファッションやアイテムのあんなこと、こんなこと。

かつてのアウトドアでは、ゴム引きやオイル引きのコートを雨具に使うのが一般的。当然ながら、非常に重く、汗をかけば内部がムレてしまうため、決して使い勝手のいいものではありませんでした。

アメリカにアウトドアブームがやってきた60年代、その状況を一変させたのが「SIERRA DESIGNS(シエラデザインズ)のマウンテンパーカ、通称「ロクヨンマンパ」です。

ゴム引きのように重くなく、オイル引きのようにベタつかず、雨の侵入を防ぎつつも普通のウエアと同じ感覚で着られるとあって、アメリカだけでなく日本でも大ブームを巻き起こします。

その使い勝手のよさの秘密が、横糸に太いコットン糸を用い、縦糸にナイロン糸を用いて強く打ち込んで織り上げた生地。

雨によってコットンが濡れると糸が膨張して織り目が詰まって撥水性を獲得するという仕組みで、ナイロンよりも通気性に優れつつコットンよりも磨耗に強いとされる画期的な素材でした。

コットンとナイロンの比率が60:40だったことから「60/40(ロクヨン)クロス」と呼ばれ、その独特の風合いから今でも根強いファンのいる生地です。

ただし、当時としては最新の高機能素材ですが、今となってはクラシックな生地。ある程度の撥水性があるとはいえ、雨に降られ続けていると小1時間もすれば内部まで雨が染みてきますので、アウトドアで着用する際にはご注意を。

島倉弘光/「MAINE」企画担当

1988年創業の老舗インポートセレクトショップ「MAINE」に学生時代からアルバイトとして勤務。現在はバイヤーを務めるかたわら、オリジナルブランド「CAMCO」や「BAGGY」の企画を担当している。

【「MAINE」ホームページ】https://www.maine1988.com/

Top image: © 2019 NEW STANDARD

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