僕が、できるだけ「地元」でお金を使うようになった理由

なんとなくコンビニでコーヒーを買うときより、地元の商店街にある “お気に入りのお店” で買ったときのほうが「心地いい!」っていう感覚、ありませんか?

ちゃんと自分の意志で選んで、こだわって、お金を出したものには、それがたとえ1杯のコーヒーであったとしても、ウキウキするものです。

なんでも簡単にワンクリックで買える時代だからこそ、逆に “地元でのお買い物” が魅力的に感じるのかも。

3年前からAMEXが取り組んでいる「SHOP LOCAL(ショップローカル)」も、まさにそんな気持ちを応援する取り組みのひとつ。

詳しく教えてもらうため、AMEX加盟店事業部門担当副社長の印南裕二さんのもとへ!

 

「ショップローカル」って?

アメリカでAMEXがはじめた「SHOP SMALL」というムーブメントをもとに、2017年にAMEXが日本での創業100年を記念して開始した地域コミュニティ活性化の取り組み。キャンペーンも展開し、期間中にAMEXカードなどで1000円以上の買い物をすると、オリジナルプレゼントがもらえる。

 

—— いきなりですが、印南さんも地元でお買い物とかされるんですか?

アメリカン・エキスプレス 加盟店事業部門 副社長 印南裕二さん

「はい、今は横浜に住んでいるんですが、東急東横線の白楽駅にある六角橋商店街によく行きます。コーヒーが好きなので豆を買いに行ったり、革靴のメンテナンスに行ったりしますね。10〜15年前は大手のブランド品に惹かれていたこともありますが、最近は私自身の感覚も変わってきました。

目利きのオヤジがいる八百屋さんにもよく行きます(笑)。『トマトが欲しい』『梅を漬けたい』なんて相談すると、ちゃんとおいしいものを用意してくれる。そういう “信頼感” を大切にした買い物をする機会が増えたように思います」

趣味をきっかけに、地元とコネクト

 

—— ロードバイクがお好きだと伺いました。

「そうなんです。近所に自転車ショップがあって、そこに集まる仲間たちと山に練習に行ったりレースに出たりしています。常連には20代の学生もいれば60代のベテランもいて、驚くほど幅広い世代が交流しています。

消耗品のパーツなどもオンラインや大型店で買ったほうが簡単だし安いんですが、それでもみんなわざわざそのショップで買う。その行為自体がお店への “愛着” ですよね。もしくは、お店が無くなってしまったら頼る人がいなくなってしまうので買っている、というのもあるかもしれません(笑)。

こうやってこだわりのものを手に入れたり、趣味を通してコミュニティを作ることが最近の私の楽しみで、それがお金を使うことよりも先にありますね」

 

—— 乗り始めたきっかけは何だったんですか?

ビジネスでもプライベートでも、全国の “ローカル” を回る印南さん

「妻の実家が、宮城県の女川(おながわ)という街で、石巻の近くなんですが、被災したときの風景にとても衝撃を受けました。その後2013年に『ツール・ド・東北』という復興支援イベントがはじまり、それに出るようになったのがきっかけですね。1日に220km走るんですが、今では毎年の定番行事のようになってますね。

震災で街のほとんどが壊滅してしまったんですが、復興する姿を毎年見ているからこそ、もっと多くの人に訪れて欲しいとも思います。女川は魚が抜群においしいんですよ」

横浜から、全国へ

 

—— 地元での買い物を後押しする「ショップローカル」も、今年で3年目になりました。なにか変化は感じますか?

AMEX本社がある荻窪の「教会通り商店街」にて

「2017年に日本での創業地の横浜から始めて、2018年にはさらに神戸を加えて2拠点で開催。3年目となる今年は、全国47都道府県で73の商店街の賛同をいただき、約14500店舗が参加してくれるほどのムーブメントに成長しました。

もとを辿ると、10年前にアメリカで始まった『SHOP SMALL』の日本版として動き出したものが、今では多くの商店街やお店がポジティブに取り組んでくれるようになりました。

最初は、1つひとつの地域という “点” で始まったものが、“面” になってきたという実感があります」

買い物を、アミューズメントに!

 

—— 「買い物で地元を応援する」というコンセプト自体が、とてもシンプルで共感しやすいのかもしれませんね。

「賛同者やユーザーのポジティブなSNS投稿が多いのもありがたい」と印南さん

「アメリカの『SHOP SMALL』では、『スモール・ビジネス・サタデー』という地元の個人店や商店街での買い物を促す日を策定しているのですが、当時のオバマ大統領が当日地元の本屋さんで買い物している様子がアップされたりと、国全体でポジティブに取り組んでいる様子が伝わってきました。

商店街で買い物をすることや、そこでのコミュニケーションが、アミューズメントパークみたいな感覚で楽しめるようになるといいですよね。

そのなかで “決済” という行為は、つねに裏方にいなければいけないと思っているんです。主役である買い物や食事を快適にスムースにしていただくその一部を担っている、と。そういう意味でも、キャッシュレスやコンタクトレスはさらに重要になってきますが、インバウンドの視点で見たら、まだまだ “決済” という意味でのおもてなしはできると思っています」

 

—— 確かに、地元で隠れた名店を見つけたときは、まさにアミューズメントパークのようなワクワク感がありますよね。今日はありがとうございました!

→「ショップローカル」をもっと知りたい!
印南裕二(いんなみ・ゆうじ)

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 加盟店事業部門 副社長。
1989年、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.(日本)入社。加盟店事業部門において加盟店獲得、大手加盟店担当など、セールスの要職を歴任。大手加盟店の獲得や大手加盟店とのパートナーシップ構築、共同プログラムの立ち上げ等を多数手がける。
2011年11月に同部門 提携戦略事業本部 副社長に就任し、パートナーとの協働を通して、お客様が安心してカードを利用できる加盟店網の充実、加盟店への高品質なサービスの提供に注力する。
2016年1月より現職。日本において加盟店事業の統括を担当している。