ストリートでも人気の「フィッシングベスト」ならではの構造とは?

意味や理由、歴史を知れば、ファッションは今よりもっと楽しめる──。誰かに話したくなる、ファッションやアイテムのあんなこと、こんなこと。

ここ数年のアウトドアブームを受けて、タウンユースとして愛用する人が増えたフィッシングベスト。そんなフィッシングベストとよく似た作りのアイテムとしてカメラマンベストがありますが、そのふたつの大きな違いについてご存知ですか?

それぞれ釣りや写真撮影に必要な道具を仕舞うためのポケットが多数&随所に配置されているわけですが、フィッシングベストには釣った魚を入れるための大きなポケットが存在します。その名も「ゲームポケット」。

古い時代に作られたフィッシングベストは、フロント部分が二枚仕立てになっており、丸く穴が開いた通称「ドーナツポケット」を採用しており、左右、どちらからでも釣った魚をベスト内に収められる仕様になっています。

しかし、このドーナツポケットは仕立てが複雑だったことから、年代が下がるにつれて背中部分のみにゲームポケットを配したモデルが増えてくる傾向にあるようです。

余談ではありますが、古着屋さんでヴィンテージのフィッシングベストを買う際の注意事項をひとつ。

当時物のベストは実際に釣りや狩猟の現場で使われていたものも多いので、ゲームポケットのなかが魚や鳥の血などでドロドロに汚れていることがあります。

動物性の汚れや臭いはなかなか落ちませんので、くれぐれもチェックするのをお忘れなく……。

島倉弘光/「MAINE」企画担当

1988年創業の老舗インポートセレクトショップ「MAINE」に学生時代からアルバイトとして勤務。現在はバイヤーを務めるかたわら、オリジナルブランド「CAMCO」や「BAGGY」の企画を担当している。

【「MAINE」ホームページ】https://www.maine1988.com/

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