「自分らしくあること」は生きづらい?アメリカ人と日本人の比較【研究論文】
西欧諸国では“自分を持つこと”が常に求められる。その傾向は、自由を大切にするアメリカではとくに顕著だそうだ。
そんな西欧のスタイルやスタンスを見習うべきとの声をよく聞くが、最近、この個人主義の負の側面が明らかになってきているという。
学術誌『SPPS』にも掲載された「ジョージア大学」の心理学者の研究論文によると、アメリカ人は日本人と比べ「自分を変化させることが幸福度の低下につながっている」ということがわかった。
アメリカでは意見を変えることがタブー視されているために、自分が変化することが周りに否定的な印象を与えると考えるのだとか。たとえ、それがより良い変化であったとしても、幸福度が向上することはないという。
対して、集団に適応することが求められる日本では、自分が変化することと幸福度に関して相関性はみられなかったそうだ。これは、家庭の性質の違いなど、文化的な背景によるものであると結論づけている。
人によっては生きやすいようにも感じるアメリカの個人主義だが、確かに行き過ぎたエゴイズムは辛い面も多いのかもしれない。
諸外国から日本の集団主義や没個性が指摘されるシーンは珍しくないが、アメリカからこのような論文が出るということは「隣の芝は青く見える」ということなのだろうか?
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