家飲みに用意すべき「ワイングラス」はこれだ!

赤、白、ロゼ、スパークリングにデザートワイン。自宅でワインを楽しむとき、どんなグラスを使っていますか? さすがにビールジョッキやマグカップでワインを飲む人はいないでしょうが、ソムリエ吉川大智さんはこう強調します。

「グラスでワインのポテンシャルは大きく変わる」と。

ワインの印象を左右するグラス選び。きちんと理解してますか? 今回はワイングラスにフォーカス!グラスの種類とその適切な選び方を教えてもらいましょう。

吉川大智(よしかわだいち)
世界40ヶ国200都市の酒場とワイナリーを旅した元バーテンダー。JSA認定ソムリエ。現在多数のメディアにてコラムやエッセイを執筆するライターとして活動中。

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ワイングラスのここをチェック!

前提として、ワイングラスは4つのパーツから構成されていることを覚えておこう。サラッと言えたりすると、ちょっとカッコいい。

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・リム(唇に直接触れるグラスの縁)
・ボウル(ワインが注がれる丸みを帯びた部分)
・ステム(持ち手となる脚)
・プレート(グラスを支える土台)

「ステム」や「プレート」に特徴のあるグラスや、逆にステムのない「おきあがりこぼし」のような形状のグラスも人気。だが、購入の際とくに気にかけてほしいのは、むしろ「リム」と「ボウル」のほう

ボウルはワインの個性である香りや味わいを生かすため、ブドウ品種やタイプによって最適なシェイプが変わる。また、リムは薄い方が当然唇に触れる感覚が少なくなるため、口当たりが一層やさしくなるからだ。リムが薄いグラスを基準に選ぶだけで、デイリーワインが格段にグレードアップする。

押さえておきたいワイングラス
基本の3タイプ

上記を踏まえて、ワインをよりおいしく楽しみたいならば、最低でも以下3種類を揃えておくことをオススメする。

■シャンパングラス

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「フルートグラス」とも呼ばれる、ボウルが細長いおなじみのグラス。グラスの底面積が小さいため炭酸が抜けにくいうえ、立ち上がる泡を美しく見せるために考えられた形状。

ちなみに、ビールをシャンパングラスに注ぐと泡もちがよく、見た目も華やかに。いつもの晩酌をリッチに演出できる。

■赤ワイン用グラス

赤ワイン用グラスには、大きく分けて「ブルゴーニュ型」と「ボルドー型」の2タイプがある。普段、自分が好んで飲んでいる赤ワインのタイプによってセレクトするといい。以下、参考に!

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<ブルゴーニュ型>
色調の淡い、ライトボディの赤ワイン
ピノ・ノワール、マスカットベーリーAなど

ブルゴーニュ型は、ボウルが広く丸みを帯びた形状。ワインの液面と空気が触れる表面積が大きく、リムが少しすぼまっているのが特長。これは立ち上るアロマティックな香りをグラス内に溜めやすいつくりをしている。

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<ボルドー型>
色調の濃い、フルボディの赤ワイン
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなど

ボルドー型のグラスは大きく縦長の形状。ボウル部がゆるやかなカーブを描いているのは、舌の全体でワインの味わいをバランスよく楽しめるよう設計されている。渋みを和らげる効果も。

また、縦長のボウルは香りが広がりすぎるのを防ぎ、最後までしっかりした味わいと香りを楽しむことができる。

■白ワイン用グラス

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白ワイン用グラスは、赤用と比較するとやや小ぶり。冷やして飲むことの多い白ワインに合わせ、飲んでいるあいだに温度が上がりにくくする工夫だ。

なかには、特定のブドウ品種に特化したグラスもあり、「モンラッシェ型」などは、豊潤なアロマとやわらかい酸味が特長のシャルドネ専用の大ぶりなグラス。だけど、1セット揃えるならば汎用性の高い万能型の方が、幅広いワインに対応できる。

汎用性の高さなら
「テイスティンググラス」

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もしも、予算や収納スペースの関係で1セットだけ持っておきたい!ということであれば、オススメするのは「テイスティンググラス」だ。

「テイスティング」とつくグラスは、どれも基本的にはISO(国際標準化機構)の規格に則ったもので、スパークリング、赤、白とすべてをカバーでき汎用性が高い。おまけに価格も比較的リーズナブルなものが多い!グラスとしてはやや小ぶりだが、そのぶん一度に飲みすぎることもなく、じっくりとワインを味わうことができる。

ブドウ品種に合わせてつくられるグラスもある一方、デザイン優先でつくられ、実際飲んでみると飲みにくいグラスもある。もちろん個人の趣味趣向もあるけれど、ワインをおいしくいただけなくては本末転倒。

まずは、「リムの薄さ」と「ボウルのフォルム」を基準に、自分のワインライフに合ったグラスを選んでみては?

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