家庭での「ワインの保存方法」ポイントは3つ!
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とびきりおいしいワインを手に入れて、後生大事にねかせておいたはずなのに……いざコルクを抜いてみたらワインビネガーみたいに酸っぱかった。なんて経験はないでしょうか?
これ、いわゆる「劣化」が原因なわけですが、家庭でワインを保管するにはどうすればいいのか? ソムリエ吉川大智さんを直撃。もちろん「ワインセラー」なんて回答はなし。実用的な保存法をドウゾ!
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ワインは「いきもの」である
と、心得よ!
「ワインは生きている」そういっても過言ではない。なぜなら、ワインはボトル詰めされたあとも熟成を続け、どのような環境におくかによって味わいやアロマに変化が現れるからだ。
厳しい環境下におかれても、逞しく育つ人間はたくさんいる。でも、ワインはそうじゃない。もっと過保護。心地よい整った環境でないと、すぐダメになってしまうデリケートな存在。
とはいえボクら人間だって、サウナにずっと閉じ込められたらどうだろう。あるいは南極の氷河で1か月過ごすとしたら? 答えは火を見るより明らかだ。
そこでワインセラーなわけだが、必ずしもソレだけが保存法ではない。セラーがなくたって心配無用!3つのポイントを抑えるだけで、ワインの基本的なクオリティは担保される。
気をつけるべきは
「光」「温度」「湿度」
ワインを保管するうえでの重要なポイントは3つ。「光」「温度」そして「湿度」の管理だ。以下、詳しく紹介していこう。
1 暗い場所におく
ワインにとって天敵は「光」。直射日光が当たるなんてもってのほか。できるなら蛍光灯の明かりだって避けたほうがいいくらい。理由は紫外線だ。紫外線には有機物を劣化させる力があり、ワインの味わいやアロマを消し去ってしまう。よって、保管場所は光の届かない暗い場所、これが基本。
2 温度差のない場所におく
ワインは暑いところが苦手。家のなかでいちばん涼しい場所はどこかを探そう。床下にストックヤードがあればそこへ。比較的涼しい部屋の北側にクローゼットや押入れはないだろうか。気温が上がりやすいロフトやベランダ付近での保管は禁物! 日本は四季による気温の変化が大きいため、季節ごと最適な保管場所を見つけるのが重要だ。
3 乾燥をふせぐ
ワインにとって「乾燥」もまた大敵。ワインのおいしさを閉じ込めるコルク栓を乾かすことは、香りや風味を劣化させてしまう原因となる。裸のままにしておくのではなく、近日中に飲む予定がないのなら、新聞紙やラップでワインをやさしく包み込んであげよう。
夏場は「冷蔵庫」で上手に保管!
前述のとおり、ワインにとって暑さは天敵。日本の夏は蒸し暑く、室内温度も高くなりがち。そんな夏場だけはワインを冷蔵庫へと避難させよう。ただし、いくつか注意点あり。以下、ポイントを参考に!
① ボトルを裸にしない
コルクの乾燥を防ぐためには、新聞紙で包んでおくのが正解。ボトル全体を包み込むことで、紫外線を遮断することもできる。コルクは乾燥すると縮む習性があるため、ボトルとコルクのあいだに隙間ができる。そこに空気が混入すると、未開封でも酸化がはじまってしまうというわけ。ワインセラーではよくワインを寝かせておいているが、コルクをつねにワインに触れさせることで乾燥を防ぐことが狙いだ。
② ワインは振動に弱い
とかくワインというお酒は繊細なもの。振動によって粒子の安定性が失われ、味わいの深みやアロマが感じられなくなってしまうほどデリケートだって知ってた? よく「女性を扱うようにデリケートに」なんて言われるが、保管も取り出しもやさしく、丁寧に!
③ 冷蔵庫内のニオイがコルクにうつらないように
キムチや生魚といった匂いの強い食べ物のそばにワインをおくのは禁物。ニオイがコルクにうつる可能性があるからだ。保管の際は、匂いのもとからは距離をおくことがオススメ。
スクリューキャップは
「安ワインの代名詞」にあらず
どれも面倒に感じるようなら、迷わずスクリューキャップのワインを選ぶのもアリ。
「安ワインだけじゃないの?」なんて思われるかもしれないが、いまや世界中の産地でスクリューキャップは流通している。すでにオーストラリアやニュージーランドでは、最高級クラスも含めたじつに9割がスクリューキャップを採用しているほど。
コルク栓はハイクオリティワインの代名詞といった概念は、もう取っ払ってしまったほうがいい。乾燥も防げてブショネ(コルク内のカビが化学反応して起こる品質劣化)の心配もなし。
つまりは、スクリューキャップこそセラーのないワイン愛好家にとっての最適解である。というのが今回のオチ。
本音をいえば、ワインラバーを語るならセラーを設置してほしいところだけど、なかなかそういうワケにもいかないでしょう。まずは、「光」「温度」「湿度」に気をつけながらワインを管理し、すてきなワインライフを!