酸化したワインでも超絶うまい!「魔法のサングリア」
飲み残したワインを冷蔵庫に入れたまま数日経って飲もうとすると、なんだか味が変わっていた……。なんて経験、誰にも一度や二度あるはずです。まさか、そのまま捨てちゃったりはしませんよね?
飲み残したワインをどうするか問題。
ソムリエ吉川大智さんにぶつけてみました。じつは彼、バーテンダー歴も長いんですが、意外な活かし方を教えてくれました。
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発想の転換。
「飲み残しワイン」の蘇生術
ワインは、開栓して時間が経つと徐々に味が劣化していきます。これは空気に触れて酸化がすすんだことが原因。もちろん飲み残しても栓を閉じ2〜3日程度なら、冷蔵庫でしっかり保管すれば味落ちはない。ワインのポテンシャルにもよるが、逆にパフォーマンスを上げるものもある。
問題は、3日以上放置してしまったケース。酸味が出てきて、あとはみなさんのよく知るとおり。こうなるともう料理酒行きだったりするわけだが、今回はそれでも「おいしく飲む方法」のご紹介!
アレンジ一つで劇的においしく、またいろんな飲み方に応用できる蘇生法がある。そしてこれ、赤ワインでも白ワインでも、辛口でも甘口でも、すべてのワインに使えるレシピなので、覚えておいて損はない。
酸化したワインに魔法をかける
「ブランデー」と「フルーツ系リキュール」
では、そのアレンジとはいかに?
風味が損なわれたワインを生まれ変わらせるには、「ブランデー」と「フルーツ系リキュール」の力を借りる。要は余りワインを使ってカクテルベースをつくってしまおうというわけ。
季節のフルーツをたっぷり入れた「サングリア」に仕上げつつ、さらにどんなカクテルにも合わせられる「魔法のサングリア」を完成させよう。
まずは、以下のレシピをCHECK!
<材料>
・リンゴ:1/2個
・オレンジ:1個
・レモン汁:15ml
・フルーツリキュール(ピーチ):45ml
・ブランデー:30ml
・ワイン:200〜300ml(余った分量による)<つくり方>
① リンゴとオレンジを適当な大きさにカットし容器に入れたら、余ったワインを注ぐ。
② フルーツリキュールを入れる。甘みと香りの爽やかなピーチがオススメですが、マンゴー、キウイ、ベリー系などお好みで。
③ ブランデー、レモン汁を加える。
④ 冷蔵庫で2日ほどねかせれば完成。
※フルーツは皮ごと入れるためよく洗ってください。
※飲み残しワインが複数本ある場合は、赤でも白でもスパークリングでも、全部混ぜてOK。
4つのステップで、すべてのカクテルに応用できる「魔法のサングリア」の完成。簡単でしょ?
アレンジは好き好きだけど、白ワインなら「グレープフルーツ&キウイ」にキウイリキュールが好相性。赤ワインなら「ミックスベリー&桃」にピーチリキュールがオススメ。ほかにも、パイナップル、スイカ、マンゴーなど季節のフルーツでバリエーションはいくらでも。
ポイントは前述の通り、「ブランデー」に「フルーツ系リキュール」をプラスすること。これにより失われたワインの風味にコクがあらわれ、味わいに奥行きができる。また、アルコール度数と糖度が上がることで、保存を高めるというメリットも。
夏の「宅飲み」に
飲み残しワインを活かそう!
ロックグラスに大きめの氷を入れシンプルに「魔法のサングリア」をロックで楽しむもよし。コーラやジンジャーエールで割ったり、100%フルーツジュースと割ってもフルーティでありながらアルコールのパンチも十分に感じられる。
もっと大人っぽくいきたいならシナモンを添えたり、ローズマリーやミントなどハーブを飾ってもいい。ちなみに僕のイチオシは、ウルトラシンプルにサングリアとキンキンに冷えた炭酸を1:1で割り氷を入れた「かち割りサングリアサワー」。ワインとフルーツのアロマとのどごしの良さでクセになる一杯だ。
肩肘の張った飲み方ばかりがワインの楽しみじゃない。飲み残しワインを使って、自分好みのカクテルに仕上げれば、夏の宅飲みがいっそう盛り上がるに違いない。冷蔵庫で栓をされたまんまのワインがあれば、ぜひお試しを!