環境視点での「プラントベースダイエット」には、ひとつだけ注意点がある

2020年12月21日、学術雑誌『Environmental Research Letters』にて、環境視点でプラントベースダイエットを取り入れようとする人に知ってほしい、ひとつの論文が公開された。“動物性食品をとらないことは気候変動に対する解決策ではない”という内容だ。

同論文によると、サハラ以南のアフリカ諸国では畜産業に関わる土壌は健康に維持されていることも多く、ヨーロッパ諸国では工業化された畜産業により多くの環境汚染が引き起こされているらしい。「気候変動対策として肉を食べないことは西洋化された考えだ」とも。

そして、たくさんの人が誤解のある知識をもとにプラントベースダイエットを広めてしまうと、畜産業が主な収入源となっている地域に暮らす人々や動物性食品を主に食べている人々に大きな影響を与えてしまうことになるという。

たしかに畜産業が多くの温室効果ガスを排出しているという調査結果もあるが、動物性食品をとらないことが気候変動を解決するとは言われていない。あくまでも二酸化炭素の排出量などを減らせる可能性があるだけだ。

この論文が公開されたことはプラントベースダイエットやヴィーガンなどを否定する理由にはならないのだが、情報との付き合い方は少し考えたいものだ。

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