「牛肉の消費を減らして!」NY市が住民にお願いメール
不要不朽の外出自粛要請、飲食店への営業時短要請、市町村からざまざまな「要請」が発せられたこの一年。でも、もしこんな要請があったなら……。
先月、ニューヨーク市の動物福祉局は、食肉の消費量削減目標を達成するため、肉の消費を控えるよう市民に訴えかける電子メールを送付した。
具体的には、国際的な非営利動物福祉組織「World Animal Protection」のミートリダクション(食肉の削減)キャンペーンと提携するかたちで市が進めている「ミートレスマンデー」、「牛肉の消費50%削減」「加工肉の段階的廃止」「植物ベースの代替肉への置き換え」など、市民が消費を削減する方法やガイダンスも含また内容だったようだ。
そもそも、行政が「食事を見直してほしい」とはどういうことか? メール送付には前段がある。
ニューヨーク市が掲げる戦略的な都市計画「OneNYC 2050」。人口増加、格差、経済への不安、インフラの老朽化など大都市が抱える諸問題を長期的に課題解決していこうとするこの計画。気候変動への対策も市が将来のビジョンを指し示している大命題のひとつ。
たしかにアメリカは世界でも1、2を争う牛肉消費国。その最大都市が市民の肉の消費に対して、「要請」ではないものの「推進」「推奨」するあたりに、行政の本気度がうかがえる。ひとり一人の協力なくして、実現はできないというこはわかるが……。
次回ニューヨークを訪れるころには、これまで以上に飲食店で牛肉のオーダーが難しくなっている、かもしれない。
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