「タイタニック」の英雄からの「絵葉書」、160万円で落札か
洋画歴代No.1ヒットのラブストーリー『タイタニック(1997)』。
ご存知の通り、この作品は1912年4月14日の深夜に起こった、英・豪華客船「タイタニック号」の沈没事故をベースにしたものだ。
事故から109年目を迎える今年、ボストンを拠点とする「RR Auction」が、同船で上級無線通信士を務めたJack Phillips氏の絵葉書を出品した。
進水日のタイタニック号を写したコチラは、英・サウサンプトン港を出発する4月10日から数週間前の3月下旬に、妹のElsie Phillips氏に宛てられている。
© RR Auction
裏面に記されたメッセージの全文はコチラ。
「とても忙しくて、遅くまで仕事をしている。月曜日にここ(ベルファスト/造船所)を出発して、水曜日の午後にはソトン(サウサンプトン港の愛称)に到着できたらいいな。君の無事を願っているよ。昨日、Ethel(Elsie氏の双子の妹)から連絡があった。愛を込めて、ジャック」
同社の調査によると、Phillips氏は現役時代に、300枚もの絵葉書を妹に送っているが、そのうちタイタニック号が前面に写るものは2枚のみ。
その希少性が認められ、4月14日に終了予定のオークションでは、最大15,000ドル(約163万円)が見積もり価格として掲示中だ。
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当時25歳のPhillips氏は、同船が沈没していくなか、乗客、乗員の救助に協力してもらうべく、ほかの船に無線でメッセージを送るなど精力的に活動したことが、生き延びた部下たちによって伝えられている。
下級無線士だったHarold Brides氏は、彼のことを「我々みんなを救ってくれた男」と呼んだという。
悲劇のラブストーリーが愛される裏側で、“真の英雄”から妹への愛に満ちた絵葉書に、大きな関心が集まっている。
Top image: © RR Auction