革命がもたらした「ルーヴル美術館」誕生劇

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

ルーヴル美術館が開館した日

英美術館・博物館専門誌「The Art Newspaper」が毎年発表している世界の美術館・博物館の入場者ランキング。新型コロナウイルスによる影響が出る前年の2019年で見てみると、ダントツの1位は「ルーヴル美術館」。次位の「中国国家博物館」におよそ220万人の差をつける人気ぶりです。

そのルーヴルが美術館として開館したのが、フランス革命直後の1793年8月10日のこと。西洋の歴史に明るい人ならばご存知かと思いますが、ルーヴル自体はそれ以前の600年ほど、王の宮殿として利用されていたんですよね。

ちなみに、それよりさらに前は、パリを防衛するための要塞としての機能があったそう。こう聞くと、あの極めて複雑な導線にも納得がいきませんか?

要塞から宮殿そして美術館へ——。

それは、革命の成功によって出現した市民社会が、王侯貴族の私有物であったコレクションを文化遺産として公共化を要請したことから。これにより、コレクションは公共財として位置付けられ、一般市民への公開が果たされたようです。

さて、そんなルーヴル所蔵の作品と東京オリンピックにまつわるエピソードを最後に。

ルイ18世の時代にルーヴルへと収蔵された、ヘレニズム期の代表的ギリシヤ彫刻「ミロのヴィーナス」が海外へ渡ったのは、たった一度だけ。それが日本だって知ってました?

前回の東京オリンピックが開催された1964年の4月から6月にかけて、上野の「国立西洋美術館」と京都「京都市美術館」で開催された特別展でお披露目されたそうですよ。

Top image: © maziarz/Shutterstock.com
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