「人類ではじめて空を飛んだのはライト兄弟」......その歴史、書き換わるかも。
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ライト兄弟が史上はじめて有人動力飛行に成功したとされる日
野生の動物たちには到底敵いませんが、人は馬のように地面を蹴って走ることも、魚のように水のなかを泳ぐことも、猿よろしく手足を使って木に登ることもできます。しかし、肉体ひとつで鳥のように空を飛ぶことはできません。
そんな人類の不可能を可能にしたのが飛行機という発明です。
今日12月17日は、アメリカの発明家・ライト兄弟(兄・ウィルバー、弟・オーヴィル)が人類史上はじめて有人での動力飛行に成功したとされる日です。
自転車店を営む兄弟が、歴史に名を刻む快挙を成し遂げたのは今から119年前の1903年。
当時、世界中の研究者たちがバイオミメティクス(biomimetics/生物模倣)的なアプローチにより、蝶や鳥のように羽を上下させて飛行するオーニソプター(羽ばたき式飛行機)の開発に躍起になっているなか、ライト兄弟は正業から得た技術を転用し、チェーンでプロペラを回す効率的なシステムを発明。
最長で滞空時間59秒、滑空距離250m以上を飛んでみせたのでした。
と、ここまでは、世界史の授業でも習うお話。
じつはこの「有人動力飛行の歴史」に新たな説が浮上しているのを知っていますか?
人類史に残る偉業を成し遂げたのは、ライト兄弟ではなく、ドイツ生まれのアメリカの航空技師であるグスターヴ・ホワイトヘッドなる人物の可能性があるのだとか。
ライト兄弟が実験に成功する2年前の1901年にエンジン付きの飛行機で滑空した記録が残されていたそうで、航空機や船、兵器などの歴史をまとめている由緒あるイギリスの資料『ジェーン年鑑』(2013年発行版)では「動力飛行にはじめて成功した人物=グスターヴ・ホワイトヘッド」と記されているそう。
現在も世界中の航空学の権威や歴史研究家の間で議論されている注目のトピックではありますが、その内容はさておき、飛行機の発明が人類にとっての最大のソリューションのひとつであることに変わりはありません。
自室のソファーに突伏したままでも世界中の情報が簡単に手に入る現代ではありますが、空路を経て、その場でしか体感できない“何か”は確実に存在します。
また、かつてのように気軽に旅できる日を夢見て──。