近い将来、月面に「小松菜畑」ができるかもしれない

近年、活発化する宇宙開発産業。民間企業が製造した宇宙船を使って(まだ限られた人ではあるが)民間人が宇宙空間へと旅立つ時代は到来した。

日進月歩のこの分野、最終目的は移住にあるという人たちもいる。そこで最大の壁となるのが有人活動における水や食料といった物資の“現地調達”にあるわけだが……。

現在、月や火星への無人、有人探査の機運が高まるなか、株式会社大林組がJAXAとの共同開発で進めてきた研究分野のひとつに「地産・地消型探査技術」がある。この応用により、先月、月の模擬砂を用いた植物栽培実験に成功したというニュースが。

今回、株式会社TOWINGとの共同で、月の模擬砂に有機質肥料を加えた植物栽培の実証実験を実施。同社は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構が開発した人工的に土壌化を行う技術を活用。有機質肥料を用いた人工土壌栽培を可能にするノウハウを活かし、月の模擬砂から軽石のように内部が空洞な多孔体構造の砂を設計・製造した。

©株式会社TOWING

この模擬砂で栽培したのが小松菜だ。

単純に多孔体構造とするだけでなく、そこに土壌微生物を固着させ、有機質肥料を植物の吸収しやすい無機養分に分解できるよう改良するTOWINGの技術を活かした人工土壌。根菜類やより大きな作物の栽培も可能なようだ。

月面や火星での持続可能な農業に向けた“第一歩”。期待を抱かせるには十分すぎる青々しい若葉じゃないか。

©株式会社TOWING
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