快眠へと誘うのは、有酸素運動より「筋トレ」だった!【研究結果】
ウォーキングやジョギング、エアロビなどでいつも以上に身体を動かした晩は、襲いかかる疲労感や脱力感から、ぐっすり眠れるような気がしないだろうか。
疲れているんだから当たり前。だが、運動と睡眠の関係を科学的に解明した新たな研究論文が「アメリカ心臓協会(AHA)」に登場。これが、なかなかに興味深いものだった。
アイオワ州立大学の運動学助教授で論文の著者Angelique Brellenthin氏によると、「有酸素運動をすることでよく眠れる」という既存の科学的根拠をベースにしたうえで、筋力トレーニングの方がより良い睡眠へと誘ってくれることが明らかとなったそう。
有酸素運動だけでなく筋トレにも、かなりの睡眠促進効果があるらしい。
助教授が1年間かけて実施した実験はこう。
運動不足で太り過ぎでしかも高血圧という、いわゆるメタボな条件の386人をグループに分け、トレッドミルやエアロバイクなどを用いた「有酸素運動のみグループ」、12種のフィットネスマシンを用いた「筋トレのみグループ」、有酸素と筋トレ「両方実施グループ」、そして「まったく運動しないグループ」に分類。
それぞれ運動量や時間に差があるものの、1年前と比較して「筋トレのみグループ」の睡眠時間は、平均40分増加したという。「有酸素運動のみ」は平均23分、「両方実施」のグループは平均17分という結果に。
もっとも睡眠時間が伸びた「筋トレのみ」のグループは、ほかにも夜間に目が覚めてしまうことが減り、結果的に睡眠効率においても15分ほどの改善が見られたという。
実証実験から、有酸素運動よりも筋トレの方が睡眠の質の向上につながることが明らかにはなったものの、その理由についてはまだ究明が必要とのこと。
筋トレにより筋繊維の修復がはじまる際の体内ホルモンの成長、また修復のために脳に強力な信号が送られることで、夜間さらに深い回復状態を迎えることなどを、睡眠促進の可能性に挙げるBrellenthin氏。
単純に疲労感でぐっすり眠れる、ではない筋トレと睡眠の蜜月な関係がどうやらありそうだ。健康管理やダイエット目的に加え、睡眠促進のための筋トレ。
気になる人は、まずはご自身でお試しを。