「アードベッグ」のもっとも古い1975年製の熟成樽、約26億円で売却

その額、じつに1600万ポンド(約26億円)

このほど、アイラ島で造られるモルトウイスキー=アイラモルトのひとつ「アードベッグ」のカスク「アードベッグ カスク No.3」が、アジアの個人コレクターに売却された。これは、ウイスキーのカスク史上、もっとも高額での取引だ。

©MHD モエ ヘネシー ディアジオ

カスクとは、ウイスキー造りでは命と呼べるほど大事な熟成樽。味わいや風味を決定づける重要な存在だ。

今回売却された「アードベッグ カスク No.3」は、同ブランドがリリースしたカスクの中でも最古のもので、2度の蒸留所閉鎖も乗り越えた、唯一無二の1975年製。

今後、新しいオーナーのために5年かけて毎年一定数ずつ、46、47、48、49、50年熟成の味がボトリングされ、少なくとも10年間は再現不可能な、唯一無二のアードベッグコレクションが提供されることに。

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ちなみに、この販売による利益の一部、100万ポンド(約1.6億円)は、このカスクを何世代にもわたって大切に扱ってきた蒸留所のスタッフに敬意を表し、アイラ島の活動を支援するために寄付する予定。

こうして次なる熟成樽を守り続ける後ろ盾も得た「アードベッグ」。売却されたカスクと同様のスタッフによる情熱を注がれた数々のボトルが、今後もリリースされ続けるのだろう。

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