あの「熟成肉」が自宅の冷蔵庫で簡単にできるマシンが開発中

あえて日数を置くことでお肉の熟成を促す、エイジングビーフ(熟成肉)の美味さに注目が集まっています。高級店や専門店でなくても“あの味”を自宅で堪能したい!そんな想いがアメリカで実現しようとしています。

自宅の冷蔵庫で
プロ並みの仕上がり?

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牛肉から余分な水分を抜くことで乾燥し、酵素がタンパク質をうまみ成分へと変えることから、熟成のなかでも特に注目されているのが、温度、湿度、さらに風を調節する「ドライエイジング」という方法。熟成させることで繊維が分解され、柔らかく香り豊かな味わいに変身していきます。
もちろん、ただ寝かせれば美味しくなるというものでもありません。自宅であの美味さを再現するためには、温度、湿度、風量の管理が必須。これを実現したのが、自家用熟成マシン「SteakAger」です。

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「本当に美味しいステーキ肉に必要なのは、スープでも、マヨネーズでも、ペッパーでもありません。良い状態で乾燥させる“時間”が魔法をかけるのです」

熟成肉の旨味をひと言で表現するのは、開発者の一人Frank Rizzo氏(写真右)。現在、アメリカのステーキハウス業界において、この熟成が完全にトレンドと化している現状、さらには“熟成化”が価格高騰に拍車をかけている事実を明かします。

12日から最長70日まで
自分好みの熟成度に!

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彼らが開発した「SteakAger」は、温度と湿度の調整がしやすい、高密度食品工業用のまな板にも使用される素材を用いています。ステーキハウスのドライエイジング用保存庫と同じ環境を、自宅の冷蔵庫内に、そっくりそのまま再現しようという訳。
ボックス内部には、ヒマラヤ岩塩が仕込まれているんだそう。さらには、乾燥を促す循環ファンも設置。絶えず風がボックス内を巡ることで、内部に入れたヒマラヤ岩塩の風味が、乾燥とともにお肉にじんわり浸透していく仕掛け。また、殺菌用の紫外線ランプがお肉に当たることで、長期間保存を可能にしています。

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あとは、ドライエイジングに適した環境を整えるべく、コントローラーと独自開発したソフトウェアを追加。好みに応じて12日間から70日間まで熟成が可能とのこと。さらに、熟成ボックス内から排出される空気は、活性炭フィルターを通ることで冷蔵庫内に臭いが充満する心配もないようです。

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しかし、実際には冷蔵庫サイズの約20%をも占領する大きさがたまにきず。アメリカのような大型家電が一般的でない日本人からしてみれば、このサイズ感は致命的。ですが、技術開発を担当したScoot Kobryn氏によれば、まだまだ軽量化が可能と主張しています。
現在、プロトタイプの試作段階を終え、クラウドファウンディングで資金調達したところ、目標額の3倍にまで到達。いよいよ、小型軽量化とデザイン性にも注力したグレードアップモデルが始動しました。

熟成肉人気にあやかったキッチン家電は、159ドル(2万円弱)で市販化を予定しているんだとか。この価格で極上のステーキ肉に変身してしまうらな、間違いなく安い買い物!あとは、熟成までガマンできるかどうかですね。

Licensed material used with permission by The Steake Ager

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。