19世紀に略奪されたベナンの工芸品、ついにイギリスからナイジェリアへ帰還
ロンドンの「ホーニマン博物館と庭園(Horniman Museum and Gardens)」は、現在所有しているベナンの工芸品をナイジェリアへと返還することを発表した。
ベナンは、現在のナイジェリアにかつて存在した王国。今回の決定により、ベナン・ブロンズと呼ばれる青銅器など計72点が"帰郷"を果たす。
©Horniman Museum & Gardens
今回の返還は、ナイジェリア側からの要求によって決定した。というのも、ベナンの工芸品は19世紀に略奪されてヨーロッパへと渡ったからだ。
「ホーニマン博物館と庭園」のEve Salomon館長は、「強引に略奪した明らかな証拠があるから、返還が適切だ」と述べた。ちなみに、ドイツやフランスは工芸品のナイジェリアへの返還をすでに決定している。
©Horniman Museum & Gardens
ベナンの工芸品は、ベナン文化だけでなくヨーロッパによるアフリカの植民地化も伝える貴重な存在。祖国に戻ってからも、その歴史を後世に語り続けてほしい——。
Top image: © Horniman Museum & Gardens