日本人も欲しくなる「外国人が心から喜ぶお土産」③
外国の知人や友人へのお土産を「なんとなく、日本っぽいかも」なんて基準で選んではいませんか? 心から友情や愛情の深さを伝えたいなら、まずはあなた自身が「欲しい」と思うものを──。
全国のモノづくりの産地を巡り、日本ならでのセンスとクオリティと“想い”に溢れたオリジナルアイテムを生み出すギフトショップ「KIRI JAPAN DESIGN STORE」のディレクター・片桐裕太さんに「外国の方に必ず喜んでもらえて、さらに自分でも欲しくなる日本のお土産」をリコメンドしてもらいます。
オシャレで使えて
「サステイナブル」な扇子
外国人に喜ばれるお土産として不動の人気を誇る扇子(せんす)。
木や竹製の骨組みに和紙を貼って和風の絵柄(扉絵)を施したものから、プラスチックや化学繊維の布帛(ふはく)を素材に使用したもの、金箔が施された高価な品やアニメのキャラクターが描かれた一本まで、その種類はじつに様々ですが、海外の大切な友人・知人に贈るなら、カラフルな播州織(ばんしゅうおり)が特徴の「coromo」がお勧めです。
「この『coromo』は、有名なファッションブランドのシャツなどにも使用されている、播州織の希少なヴィンテージの生地を使って作られています。洋服にできるほどの面積が残っていない、廃棄するしかない生地を分けていただき、扇子として蘇らせました」
端切れを使用していることから、同じ色や柄のものがほとんどなく、選ぶ際の“一期一会”の高揚感も楽しませてくれます。
数ある染め織り物のなかでも、変色や退色に強いのが播州織の特徴で、これは染色の工程で使用される「水」に秘密があります。
播州織の産地・兵庫県西脇は、国内では珍しい、一級河川が3つも流れるエリア。
染めにはそれら河川の水が利用されるのですが、周辺の地形は起伏が激しく、川の流れが速いことから、水が土壌のミネラルを吸収しづらく軟水になりやすいため、その結果、長年使っても色落ちしづらい染め物になるのだとか。
「海外の有名ファッションブランドからも指名買いされる播州織の生地。その生地を使った『coromo』なら、ファッションや流行に強いこだわりをもつヨーロッパの人などにも、きっと喜んでもらえるはずですよ。贈ることで、ファッションから地理・文化まで話題と会話が広がる一本を、ぜひどうぞ」
1983年、北海道生まれ。大学卒業後に上京し、セレクトショップ「TOMORROWLAND(トゥモローランド)」に勤務。2010年、羽田空港の国際線の運航開始と同時に『Design Japan Culture』をオープンさせ、2016年、『KIRI JAPAN DESIGN STORE』としてリニューアル後はディレクターとして企画とバイイングを担当。1カ月の半分は日本全国の職人のもとを訪れて買い付けをおこない、店頭では職人から直接聞いた製品への想いやこだわりをお客様に伝えている。
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