日本人、どこでも寝がち。外国人、それを撮りがち。
それに対して「いや〜、みんな一生懸命働いてるんだし、そこだけ切り取らなくてもよくない?」って日本を守りたくなる考えと、「確かにその通り。働きすぎなのかもしれないし、こんなところで寝るくらいなら家に帰って休むべきだよね」という考えが、両方生まれてくる。私の場合。
自分で言うぶんにはいいけど、人から言われると腹がたつ、ってやつなのかもしれない。
まぁでも確かに日本に初めて訪れて、こんな光景をたくさん見たら興味を抱くに違いない。
昔、アメリカの友だちが皮肉たっぷりにこう言っていた。「治安がいい証拠だよね」って。
彼らは、毎日14時間も働いてる。
撮影しているのは、世界のストリートカルチャーを中心に追いかけているプラハ出身のフォトグラファー、David Tesinsky。
「日本のサラリーマンは、何年も何年も、同僚やクライアントと飲みに行って、午前2時まで酔っ払って帰宅して、夜も明けないうちにまたオフィスへ行く。毎回タクシーを使う余裕はないから、ときどき寝てしまうんだ。まるで企業の羊のようだった。彼らは毎日14時間働いている。
自分のキャリアアップに焦点を絞った幽霊のように街をさまよっていて、僕にはその姿はあまり明るいようには見えなかったけど、彼らのビジョンはちょっと違うようだ。『まだ5年しか経ってないし、先が見えないピラミッドで、少しでも高い地位につく』ってね」
最近の日本はそこまでステレオタイプじゃないよ、とツッコミを入れたい気持ちもあるけど、こんなにたくさん撮るってことは、それだけ「寝ているサラリーマン」が目立って見えたのかな…。
私は日本が大好きだし、一生懸命働いているビジネスマンも好きだけど、やっぱり家でゆっくり寝てほしいっていう意味では、このフォトグラファーと同じ気持ちなのかもしれない。
Licensed material used with permission by David Tesinsky