日本人も欲しくなる「外国人が心から喜ぶお土産」②
外国の知人や友人へのお土産を「なんとなく、日本っぽいかも」なんて基準で選んではいませんか? 心から友情や愛情の深さを伝えたいなら、まずはあなた自身が「欲しい」と思うものを──。
全国のモノづくりの産地を巡り、日本ならでのセンスとクオリティと“想い”に溢れたオリジナルアイテムを生み出すギフトショップ「KIRI JAPAN DESIGN STORE」のディレクター・片桐裕太さんに「外国の方に必ず喜んでもらえて、さらに自分でも欲しくなる日本のお土産」をリコメンドしてもらいます。
200年にわたって愛される
日本古来のインテリア
200年ほどまえの江戸時代のころに誕生し、日本では長きにわたって願掛けの置き物として親しまれてきた“だるま”が、近年、海外の方へのお土産物として再注目されています。
「その愛くるしいシルエットから手に取る外国人のお客様は多いですね。そこで“だるま”の歴史や意味、“目入れ”などの説明をすると、ご自身はもちろんご家族やご友人へのお土産として購入されていきます」
「“だるま”は生産される地域によって特徴が様々。今回ご紹介する”高崎だるま”は、年間約90万個を出荷し、全国に流通する“だるま”の約8割を生産する、日本最大級の“だるま”の産地である群馬県高崎市の豊岡地域などで作られたものです。江戸時代後期に農家の方が副業として作りはじめたという歴史をもち、眉毛は鶴、髭(ひげ)は亀を表しています。“鶴は千年 亀は万年”といわれるように、鶴と亀はともに長寿の例えとして挙げられる動物であり、それが転じて吉祥を呼ぶ縁起のいいデザインとなっています」
写真のいっぷう変わった“だるま”は、多くの文化人やクリエイターなどから高い評価を受けている『吉田だるま』の別注品。
「ほとんどの“だるま”は多色で着色されるのですが、この別注品は二色に抑え、伝統的な手描きの線が強調されるシンプルな顔に仕上げていただきました。ダイナミックでありながら繊細さも感じさせる線で描かれた表情は、キャラクターや個性がひとつひとつ異なるので、感性にピタっとくる一体を探す楽しみも味わえます」
“だるま”本来のキュートでありながら存在感たっぷりのフォルムはそのままに、現代的なカラーリングとアレンジが施された『吉田だるま』は、和風の部屋にはもちろん、洋室のインテリアとしてもマッチすること間違いありません。
1983年、北海道生まれ。大学卒業後に上京し、セレクトショップ「TOMORROWLAND(トゥモローランド)」に勤務。2010年、羽田空港の国際線の運航開始と同時に『Design Japan Culture』をオープンさせ、2016年、『KIRI JAPAN DESIGN STORE』としてリニューアル後はディレクターとして企画とバイイングを担当。1カ月の半分は日本全国の職人のもとを訪れて買い付けをおこない、店頭では職人から直接聞いた製品への想いやこだわりをお客様に伝えている。
https://kiri-japan.com/