日本人も欲しくなる「外国人が心から喜ぶお土産」④
外国の知人や友人へのお土産を「なんとなく、日本っぽいかも」なんて基準で選んではいませんか? 心から友情や愛情の深さを伝えたいなら、まずはあなた自身が「欲しい」と思うものを──。
全国のモノづくりの産地を巡り、日本ならでのセンスとクオリティと“想い”に溢れたオリジナルアイテムを生み出すギフトショップ「KIRI JAPAN DESIGN STORE」のディレクター・片桐裕太さんに「外国の方に必ず喜んでもらえて、さらに自分でも欲しくなる日本のお土産」をリコメンドしてもらいます。
人と人をつなぐ「食」に関連した
日本伝統のテーブルセット
海外からの観光客が買い求める、日本のお土産品の上位につねにランクインするのが、 日本の食卓に欠かすことのできない箸(はし)。
アジアには箸の文化をもつ国も多いのですが、先に向かって細くなっているのが日本の箸の特徴。その形状から小さくもろい食材をつまみやすく、さらに丈夫で軽いことから“実用品”として高い人気を博しています。
「木を“使いやすい箸の形状”に削り出すのには、非常に高い職人の技術が必要とされています。今回ご紹介するのは、全国に流通する塗箸の80%のシェアを誇る若狭(わかさ)塗箸と長野の水引箸置のセットで、箸置はお好きな色を選んでいただけます」
福井県小浜市で生まれた若狭塗には200を超える色味があるとされており、『KIRI JAPAN DESIGN STORE』では、黒漆の濡れたような深い色味の「呂色(ろいろ)」と、それとは対照的に素朴な表情で滑りにくく使い勝手のいい「乾漆(かんしつ)」をセレクト。
「箸とセットで販売している水引の箸置きは、元禄時代から続く伝統的な手法を継承しながら、国内の水引製品の70%を生産している長野県飯田市で作られています。遣隋使の時代に帝(みかど)への献上品として麻の紐を紅白で染めたものが水引の起源とされており、未開封や新品であることを表す封印の意味、魔除けの意味、そして人と人を結びつけるという意味をもった縁起物のひとつです」
若狭塗の箸と飯田で作られた水引は、どちらも長い歴史と磨き抜かれた職人技が詰まった、外国人に胸を張ってわたすことのできる日本ならではのお土産品。
「“食”や食事の場は、異なるコミュニティや価値観の違う人たちを結びつける力をもっています。そんな食に関連したこのプレゼントなら、仲のいい人とはさらに仲よく、やや距離のある人ともぎゅっと近づくことができるはずです」
1983年、北海道生まれ。大学卒業後に上京し、セレクトショップ「TOMORROWLAND(トゥモローランド)」に勤務。2010年、羽田空港の国際線の運航開始と同時に『Design Japan Culture』をオープンさせ、2016年、『KIRI JAPAN DESIGN STORE』としてリニューアル後はディレクターとして企画とバイイングを担当。1カ月の半分は日本全国の職人のもとを訪れて買い付けをおこない、店頭では職人から直接聞いた製品への想いやこだわりをお客様に伝えている。
https://kiri-japan.com/