思春期の不安定さを、19世紀の技術で撮り続けるフォトグラファー
166年前に発明された技術を使って、子ども達の写真を撮影し続けている、スペインのアーティスト・Jacqueline Robertsさん。
坂本龍馬の有名なポートレートでも使われたこの手法は、非常に手間がかかるものだと言われています。にも関わらず彼女がこだわるのには、ある理由がありました。
焼き増しできない
世界で一枚だけの写真
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彼女が作っているのは、「湿板写真」と呼ばれるもの。19世紀に発明された写真技術で、ガラス板に薬品を塗り、それに画を映り込ませる撮影方法です。
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ガラス板に直接画像を焼くため、引き延ばしも焼き増しもできません。つまり、この方法で撮れるのは、世界でたった一枚だけの写真です。
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写真をもう一度
家族の「宝物」にしたい
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「かつて写真は、貴重な『宝物』だったと思うの。火事が起きたときに、急いで持って逃げるような」
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「最近のデジタル写真は、たしかに鮮やかで映える。でもそのせいで人の心が入り込む隙間がなくなってしまっている。それに、たくさん溢れかえっちゃって、使い捨てになってしまったとも思うの。
私はもう一度、写真を『価値あるもの』にしたかったのよ」
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このシリーズ名は「Nebula」といって、ラテン語で「雲」を意味します。
心も人間関係も移ろいやすい、成長期ならではの不安定さを表現しているとか。
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「時間をかけて、今この時を過ごす彼らの移ろいを、この『写真』に焼き付けていきたいの」
Licensed material used with permission by Jacqueline Roberts