先進国が気候変動に「財布を開く」と思いきや……?思惑が混ざり合う「COP28」の行方とは
アブダビでの会談の末、気候危機に直面する世界最貧国への資金提供に向けた歴史的な合意が成立した。
この記事の要点
- 国々は、気候変動による被害から最も脆弱な人々を支援するための「損失と損害」基金の創設に合意した
- この基金は世界銀行によって当初管理され、アメリカやEUなどからの資金を含む多様な資金源が検討されている
- 合意内容はCOP28で正式に採用される予定だが、資金の量や管理に関しては、まだ多くの議論が残されている
世界各国の政府は、気候危機にもっとも打撃を受けている人々への資金供給を目的として新たに「損失と損害」基金の設立に合意した。
この基金は世界銀行によって管理され、その資金源には米国、EU、英国、および一部の発展途上国が含まれる。基金が数年内に数百億ドルに達することを期待しているが、具体的な資金目標は設定されていない。
基金の設立には、COP28の「国連気候変動会議」で正式に採択される必要があるが、移行委員会の合意により、採択される可能性は高い。『The Guardian』が報じたところによると、バルバドスの気候特使Avinash Persaud氏は「これは挑戦的だが重要な成果であり、国際基金の実用化という初めての手段を確立した」と述べている。
しかし、政治戦略責任者のHarjeet Singh氏は、合意が脆弱国への資金ニーズに十分な保証を提供していないと指摘、豊かな国々が過去の温室効果ガス排出に直面することを拒否したと批判。
この基金の解決策はCOP28のUAE議長にとって重要な外交的成功であり、同国は石油会社「Adnoc」の責任者Sultan Al Jaber氏によって主導される。UAEは基金への支払いについてまだ明言していないが、肯定的な議論が行われていると理解されている。
COP28でこの基金に関する交渉が再開されるかどうかは不明だが、この基金が現在の最善の妥協案と見なされているため、交渉を試みる国は他国からの攻撃に直面する可能性があるだろう。
参照元: theguardian.com
※本記事はGeneraitve AIを一部活用して記事制作をしております。
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