「メトロポリタン美術館」、略奪文化財をカンボジアとタイに返還すると発表

米「メトロポリタン美術館」が、略奪美術品の返還を発表。アンコール彫刻14点をカンボジアに、2点をタイに返還するそうだ。

これらの美術品には、密輸人のダグラス・ラッチフォード氏が関係しているとのこと。同氏は、2019年に文化財密輸の罪で起訴されている。

16点の美術品は、両国への返還の準備が整うまで「返還遺産」として一時的に展示されるらしい。今回の返還が完了すると、ラッチフォード氏が関与しているアンコール彫刻作品は同美術館のコレクションからなくなるようだ。

なお、略奪文化財を返還する動きは世界で広まってきており、当メディアでも何度か取り上げてきた。

例えば、ロンドンの「ホーニマン博物館と庭園」はベナン工芸品をナイジェリアへ返還し、日本も「かつてナチスが略奪した絵画」をポーランドへと返還している。

また、「メトロポリタン美術館」は今年の上半期に略奪された美術品をコレクションから根絶する計画を発表しており、今回のカンボジアとタイへの返還はその計画の一環だといえるだろう。

返還の流れがこのまま続けば、全ての略奪文化財を本来あるべき場所へと戻すことも不可能ではないのかもしれない。

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