「どんなあなたも歓迎」ブッキング・ドットコム、LGBTQ+向けのプログラムを開始

世界最大級の旅行予約サイト「Booking.com(ブッキング・ドットコム)」。

“すべての人に世界をより身近に体験できる自由を”を理念に掲げる同社が、LGBTQ+の旅行者が安心して旅行できるためのプログラム「Travel Proud」の日本版サービスを開始した。

核となるのは、パートナー施設へのサービストレーニング

オンラインプログラム「Proud Hospitality」を無償提供し、修了した施設には「Proud Certified」の認証を授与。認定された後は「Travel Proud」バッジが付与され、どの宿泊施設がLGBTQ+フレンドリーなのか、ユーザーが一目でわかるようにするというものだ。

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LGBTQ+旅行者の半数以上が
旅先で差別を経験

同社が2023年に行った調査によると、日本人のLGBTQ+旅行者のうち、60%が「旅先選びの際に自身の安全とウェルビーイング(心身および社会的な健康など幸福)を考慮する必要がある」と回答。この数字は昨年度より約20%も高く、安全で快適な旅を求める旅行者は増加している。

その一方で、半数以上のLGBTQ+旅行者が旅行中に差別を経験したことがあると回答。

身分証明書の性別と見た目の性別が異なることで動揺されたり、チェックインの際に性別の記入を強いられたり、トイレや浴場など宿泊先の公共スペースが使えなかったり……

当事者の期待とは裏腹に、旅先で疎外感や「歓迎されていない」と感じる人はかなり多いようだ。

もっと「誰もが」楽しめる旅を

「Proud Hospitality」の受講者は、LGBTQ+が旅行中に直面する課題や悩みを理解するために、求められる対応や言葉遣いなど、当事者が旅行を楽しむためのおもてなしを学ぶ。

なお、既にバッジを取得した宿泊施設をいくつか調べてみたが、どの施設も評価が非常に高い。LGBTQ+への配慮が“誰に対しても”気持ちのよいサービスに繋がり、当事者に限らずどんなゲストも歓迎するホスピタリティを形成しているのかもしれない。

このプログラム自体は2021年から存在しており、トレーニングは日本語のほかに英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ブラジル・ポルトガル語、ドイツ語でも提供されている。2024年4月現在、Proud certified施設は120以上の国と地域、1万2,000を超える都市で6万5,000件ほど登録されているとのこと。

夏休みの旅行のプランもそろそろ考えたい時期。国内、あるいは海外で、“どんなあなた”でも歓迎される旅先と出会えますように。

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