「歩道の外科医」と呼ばれる、アーティストがいる
フランスはリヨン。石畳の階段やアスファルトの歩道の一部分から、美しいタイルのモザイク画が顔を覗かせている──。
「歩道の外科医」が
街を美しく修復する
© ememem.flacking / instagram
© ememem.flacking / instagram
これらすべて、“歩道の外科医”の異名をもつアーティストによる作品だ。
フランスの匿名アーティスト(Ememem)は、リヨンをはじめとしてヨーロッパの多くの都市に出没し、亀裂の入ってしまった歩道にタイルのモザイク画を埋め込む活動を行なっている。彼の匿名的なアートワークの神秘性と人々の心にちょっとした優しさを宿す作風は、国際的にも評価が高いそうだ。
© ememem.flacking / instagram
歩道のひび割れにモザイクを埋め込むこのスタイル、Emememは「#flacking」というハッシュタグとともに紹介している。欠陥を隠すのではなく、その可能性を際立たせ新たな価値を与える彼の作品は、どこかで日本の金継ぎを想起させるものがある。
欠けたり割れたりした器を漆を使って修復するように、Emememは朽ちた街の歩道にカラフルなタイルで新たな命を吹き込んでいく。
© ememem.flacking / instagram
ヨーロッパを訪れる際には、美しい街並みに気を取られて足元の作品を見逃すことのないように、どうかご注意いただきたい。
過去作がアップされている氏の公式インスタグラムもぜひ。
Top image: © bepsy/Shutterstock.com