ノルウェー・フィンランドで改めて気づいた「感謝の旅」

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。

ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね? そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。

今回は、リョウコさんからみさとさんへ──。

岩田リョウコ

文筆家、イラストレーター。アメリカ在住中に出版したコーヒー本『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』が全米ベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でサウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA! 』『ちょっとサウナ行ってきます』。近著に『直訳やめたら英語が一気にできるようになった私の話』。
SNS:@ilovecoffeejp

みさとちゃんへ

 

タンザニアからおかえりなさい!
ライオンの写真とか、もう嘘っぽいくらいリアル。なにも時間通りに行かないのもアフリカのイメージそのもの!東京で電車が2分遅れただけで、乗り変えがうまく行かないなんてブーブー言ってる場合じゃないですね。

わたし、アフリカに行ったことないですけど、これからは少し“アフリカマインド”を取り入れて生活していきたいと思います。

 

さて、みさとちゃんと時を同じくして、わたしはノルウェーとフィンランドへ行ってきました。みさとちゃんがタンザニア旅は「捨てる旅」だったと表現していたので、わたしも自分の北欧の旅を総括してみると、「感謝の旅」だったと思います。

旅は、自分が今持っているもの、そして、自分がいる環境に改めて感謝できるきっかけをくれるものだなぁと、強く感じました。

フィンランドへは仕事で行くことになっていたんですが、せっかく北欧に行くならもう1ヵ国と思って、行くことを決めたのがノルウェーでした。ノルウェーにしたのは、ある人に出会ったから。

その人とは、日本で3年目になる「アウフグース日本選手権」で来日していたアウフグース世界大会副会長であり、ノルウェー大会がおこなわれる「Farris Bad」というスパ施設の総支配人ラッセさん。

©岩田リョウコ

じつは、みさとちゃんも出演していたマグ万平の『のちほどサウナで in ノルウェー』でラッセさんが取材を受けている映像を以前観ていて、彼の考え方とその表現に密かに感銘を受けていました。

マグ万平ののちほどサウナで / YouTube

動画のなかでラッセさんはこう表現しています。

「自分自身を大切にして、自分を解放して、もっと高いところにある意識とつながることで、今ここにいる自分と向き合うことができる」

「サウナで身体と精神を浄化して、悲しみや背負った荷物を洗い流して、人生や健康への感謝をする」

実際にアウフグースの審査中に話していても、やっぱりところどころでわたしにぶっささる言葉をスルリと語るラッセさん。こんなふうにサウナに向き合っている人がやっているサウナ、行くっきゃないでしょ!というわけで「Farris Bad」に行ったのです。

©岩田リョウコ

わたしがFarris Badに到着した日、ラッセさんは結婚記念日で奥さんと旅行中。次の日に戻ってくるからね!と話していました。一旦部屋に行ってからFarris Badにある全部のサウナに入ってみよう〜なんて思って部屋へ行くと……。

©岩田リョウコ
©岩田リョウコ

海の見えるこんな素敵な部屋を取っていてくれただけでなく、手書きのメッセージまで。これって、自分の旅行前に手紙を書いて、それをわたしの到着に合わせて部屋に置くようにスタッフに事前にお願いしてくれていたってことじゃないですか。

もしかしたら、高級スパを運営しているおもてなしのプロであるラッセさんにとっては簡単なことかもしれない。でも日本から半日以上飛行機に乗ってやっとついた異国の地で、予想もしてなかったあたたかいメッセージがひとつ置いてあるだけで、受け取る側はすごくうれしい気持ちになりました。

©岩田リョウコ

じつはこのラッセさんのメッセージだけじゃなくて、ノルウェーとフィンランドで再会した友人たちから、小さなことかもしれないけど、わたしのために時間を割いて、準備してくれたんだなって思う出来事が今回の旅では結構あったんですよね。

日本で会った2人にノルウェーで会うのは変な感じ(笑)!©岩田リョウコ

あとは、何かしてもらえると思ってもいないことをしてもらうって、こんなにうれしい気持ちになるんだなぁと感じたことも多くて。例えば、レストランの店員さんが先回りして何かを持ってきてくれたとか。

それって普段、日本で家族や友人にこういうことしてもらっているはずなのに、ちょっとその小さなことの裏側まで考える想像力が、ちょっと欠乏してたなぁって気づいたんです。「わたしだったらやるのに、やってくれなかった」「これくらいやってくれてもいいよね」とか、そういうの全部一旦リセットしたい!って思いました。

サウナリチュアルのあとで海に入るゲストたち©岩田リョウコ

だから、今回は感謝の旅!

今あること、今わたしの周りにいる人たち、今わたしがいる環境に感謝。ノルウェーとフィンランド、たくさんサウナに入って、笑って、友人たちに会って、詳しく話すとすごく長くなっちゃうんで、わたしが学んだことだけ今回は記してみました。

©岩田リョウコ

海外に行くとやっぱり、新しい視点が生まれて、今までの考え方にまた新しくプラスされていく感覚になりますね。お互い、学びのあるいい旅でしたね。次の日記も楽しみにしています。

では〜!

Top image: © 岩田リョウコ
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。