「信頼できる情報」が、あなたを守る。TikTokは、なぜWHOとタッグを組んだのか?

10億人以上が利用するプラットフォーム「TikTok」。 ダンス動画や流行の音楽、ショートドラマを思い浮かべる人も多いだろう。

しかし今、TikTokはエンタメプラットフォームの枠を超え、新たなステージへ進出しようとしている。 “信頼できる健康情報の発信基地”としての役割だ。

TikTok x 医療従事者

10月初週、TikTokは「世界保健機関(WHO)」とパートナーシップを締結した。 目的は、若者を中心に深刻化するメンタルヘルス問題や誤った情報への対策、そして質の高い健康情報の発信だ。

この取り組みを支えるのが、WHOが2020年に発足した「Fidesネットワーク」。 医療従事者や健康分野のコンテンツクリエイターで構成される、専門家集団である。「Fidesネットワーク」には、すでに800人以上のクリエイターが登録しており、日々様々なプラットフォームを通じて数百万人にリーチしているという。 TikTokは、複雑な医療情報を分かりやすく伝えるノウハウをもつ所属クリエイターと連携することで、より多くの人へより質の高い健康情報を届けようとしているわけだ。

「いいね」の先へ
TikTokが目指す未来とは

近年、Z世代を中心にメンタルヘルスの重要性への関心が高まっている。 SNS上でも「#メンタルヘルス」「#心のケア」といったハッシュタグを目にする機会は多い。 しかし、正しい知識を得ることの難しさや、周囲に相談しづらい雰囲気など、課題も多く残されているのが現状だ。

そこでTikTokは、WHOへの300万ドルの寄付を通じてメンタルヘルスに対する偏見をなくすための活動支援を表明。プラットフォーム内での情報発信はもちろん、専門家やNPO団体と連携した相談窓口の案内や啓発キャンペーンの実施など、今もその活動は多岐にわたっている。

これまでも、彼らはセーフティセンターを通じて利用者へメンタルヘルスやウェルビーイングに関する情報提供を行ってきた。 今では情報ガイドの月間閲覧者数は50万人を超えており、ユーザーの関心の高さが伺える。

WHOとの連携は、TikTokの可能性を更に広げるのではないだろうか。 それは、単なる娯楽プラットフォームを超え、社会課題の解決に貢献する、ポジティブな影響力を持つプラットフォームへの進化。 彼らが、信頼できる情報ポジティブなコミュニティを持ち合わせれば、誰もが生きやすい社会はもっと実現に近づくはず。

👀 GenZ's Eye 👀

TikTokははじめから、ここを目指していたのではないだろうか。とも思えてしまう。良くも悪くも、世界に大きな影響を与えてきたプラットフォームが、より“信頼できる、ポジティブ”なプラットフォームになることで、世界をポジティブに変えてくれることに期待したい。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。