3Dプリンターで高級バッグ「バーキン」を自作……中国Z世代が巻き起こす新たな波
近年、中国の若者たちの間で、3Dプリンターを使った高級ブランドバッグのレプリカ作成が新たなトレンドとなっている。
Z世代は手頃な価格の3Dプリンターと無料のデザインテンプレートを活用し、エルメスの『バーキンバッグ』などを自作しているようだ。
例えば、
「模倣を超えた」新たな動向にも発展
中国のSNSプラットフォーム「Xiaohongshu(RedNoteとも)」では、3Dプリンティング技術を活用したバッグの作成方法が共有され、若者たちの間でコミュニティが形成されているという。
彼らは単なる模倣品の制作にとどまらず、独自のデザインを加えたカスタムバッグも制作しており、既存の「偽造」の概念を超えた新たな動向となっているようだ。
RedNoteユーザーのKawang (@咔汪)は、3Dプリントでルイ・ヴィトンのバッグを制作した様子を投稿している。彼女曰く、バッグとしての耐久性はそこまで高くなく、小さな花瓶として使うなど用途も新たなものとなっている。
知的財産権の問題とファッション業界の対応
デジタルファッションへの活路も
この動きは知的財産権の侵害に該当する可能性があり、ラグジュアリーブランドは法的措置を検討(ルイ・ヴィトン擁するLVMHは昨年にTikTokと連携して模造品を取り締まる方針を発表)している。
高級ブランドが製品デザインの保護を強化する中、中国政府も2024年に3Dプリント技術を利用した偽造品対策に関する新たな法案を可決し、企業側の権利保護を強化した。
一方、ブランド/デザイナー側が3Dプリンターを駆使した斬新なデザインを発表したり、3Dプリント用のテンプレートを用いてメタバースやゲーム内空間にアイテムを落とし込む事例も盛んになるなど、ファッションにおける3Dプリント技術の活用に期待が高まっている側面もある。
善悪が表裏一体となっているこの動向、今後世界がどう対応するのか注目だ。
Reference: jingdaily
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