『ブリジット・ジョーンズ』新作の影響により「デカパン」が再ブームに
イギリスの人気映画『Bridget Jones』シリーズの最新作『Bridget Jones: Mad About the Boy』が、ファッション界に意外な影響を与えている。それは、「ビッグ・ニッカーズ(Big Knickers)」と呼ばれるフルカバレッジの下着の再ブームだ。
この作品を通じて、主人公ブリジット・ジョーンズの象徴的な下着スタイルが再評価され、多くの女性が「快適さ」と「実用性」を重視する流れが加速している。
ビッグ・ニッカーとは?なぜ人気が復活?
「ビッグ・ニッカー」は、ウエスト部分が高く、ヒップ全体をしっかり包み込むデザインが特徴のランジェリーだ。
日本で言う“デカパン”に近いニュアンスで従来は野暮ったいイメージを持たれることが多かったが、近年ではその快適性が見直され、ファッション性のあるデザインが登場している。
このトレンドの背景には、1990年代や2000年代のファッション回帰が影響している。ハイウエストパンツやオーバーサイズのトップスなど、レトロなシルエットが再評価される中で、下着も同じ流れを辿っている。また、ボディポジティブのムーブメントが広がることで、締め付けの少ない、体を自然に包み込むデザインが支持を集めるようになった。
映画と共に検索数が急増。
ヴィクトリアズ・シークレットのデータが示す「快適さ回帰」
ヴィクトリアズ・シークレット(VS)によると、新作映画の公開と同時期に「ビッグ・ニッカー」の検索数が大幅に増加したという。
特に、Googleでの検索数は過去3ヶ月で51%増加。またVSの市場調査では、女性の77%がTバックよりもフルカバレッジの下着を好むと回答。
年齢層別に見ると、31歳から45歳の女性の81%がハイウエストのブリーフを支持し、18歳から30歳の若年層でも51%がカバー力のあるデザインを選んでいる。
ファッション業界の反応とトレンドの変化
映画の影響を受け、イギリス国内のランジェリーブランドではフルカバレッジの下着を前面に押し出したキャンペーンを展開している。
「ミニマルなスタイルのTバックやGストリングも根強い人気がありますが、現在は快適さとサポート力を求める女性が増えており、ハイウエストブリーフの需要が急速に高まっています」と、VSの英国ランジェリー専門家Sophie Saunders氏は指摘する。
この流れは、近年の「ボディポジティブ」や「コンフォート(快適性)」を重視するファッションの潮流とも一致している。かつてはセクシーさが強調されがちだったランジェリー業界も、現在は心地よさと実用性を兼ね備えたデザインへとシフトしつつある。
また、ハイウエストブリーフの再評価は、90年代や2000年代初頭のトレンド復活とも関連している。ファッションのリバイバルが進む中、ヴィンテージ感のあるアイテムが見直され、ランジェリーの世界でもノスタルジックな要素が求められているのだ。
競合ブランドも「快適さ」を重視
ヴィクトリアズ・シークレットだけでなく、他の下着ブランドも「快適さ」と「実用性」を前面に押し出したデザインを展開している。
SKIMSやH&M、Marks & Spencerなど、多くのブランドが肌触りの良いコットン素材や伸縮性の高いファブリックを使用し、体型を選ばずフィットする商品を発売。特に「ノンワイヤーブラ」や「ハイウエストブリーフ」の人気は高まっている。
また、欧米では「ナチュラルボディライン」がトレンドとなりつつあり、補正下着よりも自然なカバー力を持つランジェリーが選ばれる傾向にある。
こうした市場動向を考えると、ビッグ・ニッカーの人気は一時的な流行ではなく、持続的な需要が見込まれる可能性が高い。
ブリジット・ジョーンズがもたらした影響
ブリジット・ジョーンズのキャラクターは、ユーモラスでリアルな女性像として長年親しまれてきた。彼女の持ち味の一つが、「ビッグ・ニッカーズ」を堂々と履くことに象徴される、ありのままの自分を受け入れる姿勢である。この点が、多くの女性たちの共感を集めている。
ある調査では、回答者の52%が彼女のキャラクターに自分を重ね、約3分の2が新作映画を観る予定だと答えている。
この映画をきっかけに、「ビッグ・ニッカーズ」は単なるアイテムではなく、女性が自分の快適さや個性を優先するというメッセージとしても注目されるようになった。
従来、下着は「セクシーさ」を基準に選ばれることが多かったが、現在は「快適さ」「サポート力」「自己肯定感」を重視する傾向が強まっている。『ブリジット・ジョーンズ』が引き金となった「ビッグ・ニッカー」人気の復活は、その象徴的な現象といえる。
今後も、機能性とデザインを両立したランジェリーが求められ、業界全体のトレンドは世界的に変化していくかもしれない。