女子高生の間で“ものデコ”が再燃。ポスカとマッキーで作る、自分だけの「かわいい」

スマホケース、スクールバッグ、そして愛用のペン。Z世代、特に女子高生の間で、身の回りのあらゆるアイテムを自分仕様に飾り付ける「デコ」文化が再燃している。

ティーン向けエンタメ事業を手がける株式会社with tの『女子高生ラボ』が行った調査から、彼女たちの新たな自己表現のスタイルと、その根底にある本音が浮かび上がってきた。

アレンジで自分らしく。
「選べる構成」が愛着を深める

調査によれば、女子高生の約88%が「みんなと同じ物でも、自分らしくアレンジしたい」「自分の色を足すことで、より愛着が湧く」と考えていることがわかった。

彼女たちにとって、選ぶという行為は単なる消費ではなく、自分らしさの表現そのもの。完成された製品をそのまま受け入れるのではなく、ステッカーやペンを使って「これは自分のもの」とわかるように手を加えるプロセスにこそ価値を見出している。

この傾向は、韓国発の「クミギ(飾ること)」文化とも通じるものがある。

Y2Kファッションやバレエコアといったトレンドと連動しながら、自分の持ち物にオリジナリティを加え、その過程をSNSで共有して楽しむ。

その熱量は、誰かに共感されること以上に、「自分が納得できるかどうか」という内面的な満足感に向けられているのが現代的な特徴といえるだろう。調査でも、アイテムをデコる理由として61%が「自分が納得したいから」と回答している。

© 株式会社with t
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自己表現を支えるポスカとマッキー

調査で「デコに使う定番ペン」として名前が挙がったのが、「ポスカ」と「マッキー」だった。

ポスカの持つ鮮やかな発色と豊富なカラーバリエーション、そしてマッキーの扱いやすいシャープな描線。これらが、細部にまでこだわりたい彼女たちの「想い通りに表現できるツール」として絶大な支持を集めているようだ。

近年、スクールバッグに直接イラストや文字を描く「スクバデコ」も人気だが、ここでもポスカは定番アイテムとして活躍している。

また、サンリオのキャラクター「ハローキティ」が再ブレイクしている背景には、時代に合わせて多様なデザインテイストのグッズが展開され、「自分に合ったキティちゃんが見つかる」という「選べる多様性」への支持がある。

これはデコとはアプローチが異なるものの、Z世代の根底にある「自分らしさを重視する」という価値観を象徴する現象と言えるだろう。

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完成品より「語れる体験」

今回の調査結果について、『女子高生ラボ』は、「完成度の高さよりも、自分の好みに合わせてアレンジできる余白があるかどうかを重視している」と分析する。

Z世代にとって、モノの価値は所有することだけではない。それをどう選び、どうアレンジし、どんなストーリーを語れるかという「体験」そのものに価値が生まれる時代。

これからのものづくりには、ユーザーが手を加えて完成させられる「余白のデザイン」が、彼女たちの心を掴む鍵となりそうだ。

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調査名:ものデコに対する印象調査

調査期間:2025年5月15日〜19日

調査手法:アンケート調査

調査実施企業:株式会社with t『女子高生ラボ』

調査対象:全国の高校1〜3年の女性100名

『女子高生ラボ』調べ

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