母に抱かれて「ととのう」。六本木に誕生する“大人をやめる”個室サウナ

サウナで「ととのう」とは、自分の力で深いリラックスに到達することだと思っていました。けれど六本木に誕生する個室サウナは、その前提をひっくり返します。ここでは、大人が自力で整えるのではなく、すべてを母に委ねるのです。

「脱力しきれない」に
9年かけて出した答え

浴槽に浸かり目を閉じてリラックスする男性の上から手のオブジェが湯を注いでいる演出
© 株式会社WIQOMEDIAN

2026年10月下旬、東京・六本木にオープン予定の完全予約制個室サウナ「SAUNA MOTHER」。運営する株式会社WIQOMEDIANの代表・滝祐夏氏は、17歳でサウナに目覚めて以来20年以上、週3回のペースで通い続けてきた人物です。

そんな彼がずっと抱えていた違和感が、ととのいスペースでの「脱力しきれなさ」でした。

サウナ室で限界まで温まり、水風呂で一気に冷やし、外気浴で身体を解放する。その最後の段階で、どうしても完全には力を抜ききれない。約9年前、彼がたどり着いた答えは「母に抱かれている状態」だったといいます。

この発想を、ただのコンセプトワードで終わらせなかったところが面白い。安心感に関わるホルモンであるオキシトシンの分泌メカニズムに関する論文を読み漁り、理論上その分泌を促すとされる姿勢や刺激を、ひとつの装置に詰め込んだのです。

比喩を「設備の寸法」に
落とし込む異様な説得力

抱かれるような形状のオレンジ色のマザーソファに座り、シャワーを浴びながら安らぐ利用者の正面と背面カット
© 株式会社WIQOMEDIAN
母の顔が投影され、Cカーブのソファに包まれ横たわる利用者を手のオブジェが優しく支える演出カット
© 株式会社WIQOMEDIAN

中心装置「マザーソファ」には3つの仕掛けがあります。

まず「抱かれる」構造。頭から脚までを包み込み、赤ちゃんの背骨のようなCカーブで全身を預けられます。身体が触れるすべての面に、硬さや痛みを感じさせない特殊なコーティング素材を採用しています。

次に「揺られる」機能。ソファ自体が実際に揺れます。いちばんゆっくりな設定は0.40Hz、つまり2.5秒で1往復。哺乳類が親に運ばれるとき半ば強制的にリラックスする「輸送反応」と呼ばれる習性を応用したものだそうです。

そして「見守られる」演出。プロジェクションマッピングで「母」の姿が現れ、利用者はその表情に見守られながら身体を預けます。

「委ねる」が許される
場所の意味

私たちは日常のなかで、常に何かをコントロールしようとしています。仕事の段取り、人間関係の距離感、SNSでの見え方。

だからこそ「おとなをやめる120分」というコンセプトが刺さるのかもしれません。自力で整えるのではなく、揺られて、見守られて、気づいたら力が抜けている。その受動性こそが、この施設が提案する新しいととのいの形です。

なお、同社は医療効果やホルモン分泌の保証はしていないと明記しています。それでも、身体ごと委ねる許可を設備として差し出すという発想には、ちょっと心が動きます。

SAUNA MOTHER

【所在地】東京都港区六本木7-10-30 Keepers六本木B1F
【形式】一室限定・完全予約制(男女利用可)
【利用人数】1〜4名
【利用時間】120分
【料金】1名 8,500円/2名 12,000円/3名 15,000円/4名 20,000円
【グランドオープン】2026年10月下旬予定
【先行体験】2026年10月初旬〜中旬(公式Instagram限定募集・フォロー必須)
【公式サイト】SAUNA MOTHER
【公式Instagram】@sauna_mother

Top image: © 株式会社WIQOMEDIAN
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