女性にとってベストな体脂肪とは?
脂肪がついた気がする、太った気がする…と気になる方はいませんか?また、ご自身の「体脂肪率」をしっかり把握しているかたは、なかなか少ないのではないでしょうか。アンケートサイト「みんなの声」のアンケート結果によると、このような結果がでています。
【ベストな体脂肪率は?】
この結果の真意について、医師に聞いてみました。
Q1
20%台が1位という結果は
医学的な根拠あり?
医学的な根拠はあります。この体脂肪率は体重の中の脂肪の割合意味し、20%台を維持することは女性にとって大切なことです。健康面だけでなく、生理や妊娠にとっても重要なのです。この割合のバランスがくずれて減少すると飢餓状態となり体のエネルギーが奪われ、倦怠感や、免疫力の低下なども引き起こしてしまいます。反対に体脂肪率が増えると病気を発症するリスクが高くなる見解が多くあります。20%台といっても、20~28%が理想であり、年齢別でもこの値は前後します。そのため、自分の年齢体脂肪率を理解しておくことは重要です。
Q2
体脂肪の落とし過ぎ
これって体に良くない?
良くないでしょう。とくに注意しなければならないのは、生理不順、妊娠困難です。 体脂肪率を減少させるには、過度な運動や、食事量の制限、ストレスがさらに体への負担となり、ホルモンのバランスが乱れ、生理が遅れたり、妊娠しずらくなります。
さらに、最終的には無月経を引き起こすリスクもあります。体脂肪率が少ないと、妊娠の準備に必要な脂肪や栄養が不足し、十分な栄養を確保出来なくなります。しかしスポーツ選手など、どうしても低い体脂肪率を維持しながら活躍している選手います。そのため、否定するわけではありませんが、先述したようなリスクもあります。
Q3
中性脂肪、体脂肪、内蔵脂肪は
何が違う?
まず、体脂肪は体の中の脂肪全体をいいます。そのため、中性脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪等です。
中性脂肪は、人間のエネルギー源となる物質です。食べ物が体内で分解され、血液中に流れることで生命活動に利用されます。しかし、余ったものは中性脂肪として体内に蓄積され、皮下に蓄積すれば皮下脂肪となり、内臓まわりに蓄積した場合には内臓脂肪とよばれます。皮下脂肪型の肥満と内臓脂肪型の肥満に分別されるのはこの違いです。
女性は妊娠等に赤ちゃんを守るために体を全体に蓄積する皮下脂肪型が多く、男性はお腹に蓄積しやすい内臓脂肪型が多いと言われています。この蓄積された脂肪は、血液中の脂肪が減少した場合に再度利用されます。しかし、脂肪の過剰摂取と、運動不足によって皮下脂肪と内臓脂肪が増えていく要因となります。
Q4
体脂肪が増えすぎると
リスクがある?
体脂肪が高ければ高いほどリスクも高くなっていきます。体重や体型に変化があれば、なんとなく気をつけようと思えますが、そうとも言えないリスクも多くあります。血液中に溜まると、血液がドロドロになり、脳血管疾患や心疾患のリスクが高くなります。これは知らず知らずのうちに血管中で悪化し、脳や心臓等の血管を狭窄させていき、命に関わる危機に陥ることになります。
また糖尿病や脂肪肝といった病気も発症しやすくなります。脂肪肝は肝硬変や肝癌にリスクも高める原因になります。このように体脂肪が多いと自分自身の体を苦しめてしまいます。そのため、適度な体脂肪率の維持と、体脂肪率が低いときや高いときには、生活習慣を見直し改善する努力が大切です。
Q5
体脂肪を減らすには
どうすれば良い?
体脂肪を減らすためには、適切な食事量と運動です。皮下脂肪、内臓脂肪を減らすためには重要なことです。人の体は基礎代謝とよばれる活動を行っています。基礎代謝量は年齢や体重によって人それぞれ違います。まずは自分の体に必要な必要エネルギーを理解し、その上で食事量を考慮する必要があります。 この量が必要量より少ないと体が飢餓状態となり、脂肪を体内に溜め込んでしまいます。また、運動をとい入れる場合は、運動に必要なエネルギーの摂取も重要なります。その上で、運動行うことは重要なこととなります。
運動には有酸素運動と無酸素運動がありますが、両方を取り入れた運動が効率的に効果が出ると考えられます。有酸素運動は脂肪燃焼を行うと言われていますが、有酸素運動の前に5分から10分程度の無酸素運動を取り入れることで、脂肪燃焼の効果が出てきます。また、有酸素運動後にもう一度筋トレのような無酸素運動を行うことで、脂肪燃焼だけでなく筋肉もつきます。脂肪燃焼は体脂肪率を減少させますが、筋肉がつくことで、日頃の基礎代謝量が上がり、体内に脂肪がつきにくくなります。とても効率的です。
■医師から最後に一言
先述してきた内容は、人が健康に生活する上で大変重要なことです。ただ単に、脂肪を減らしたいから脂質を減らした食事や、野菜しか食べない食事等のバランスの悪い食事や、それに加えて体脂肪を減らすために有酸素運動を必死で行うなどは、自分の体に負荷がかかるだけです。さらに不健康な体を作ってしまいます。体脂肪だけにとらわれず、現在の自分の体をトータル的に把握し、そのうえで自分に見合った食事や運動をしましょう。
監修:Doctors Me医師
コンテンツ提供元:Doctors Me