女性装で話題になった東大教授が語る「同性愛」について

東京大学・東洋文化研究所の教授である安冨歩さん。大学卒業直後は住友銀行に就職。働いているうちに「自分自身でないもののフリ」をし続けて生きていることに気づきました。

「自分は男性のフリをしている」という事実に正面から向き合うため、はじめたのは「女性装」。ただ、普通に服を着る。その服がただ女性の服だっただけのこと。

こうした違和感をカミングアウトする行為は、今でこそ理解されるようになりましたが、実は厳しく罰せられていた時代もありました。

安冨さんの著書『ありのままの私』には、そんな知られざる「同性愛」の歴史が書かれていました。

海外ではタブーとされていた
ホモセクシュアル

ホモセクシュアルは「異常」なことなのかというと、とんでもありません。そもそも人類にとってホモセクシュアルは普通のこと。特に日本は、この面での宗教的タブーがなかったので、ホモセクシュアル、特に男性同士のそれに対しては非常に寛容でした。

キリスト教圏やイスラム教圏では同性愛に対して厳しく、重い罰を下しています。外国の理不尽な刑罰はつい最近まで続いていたことで、その取り締まりが多くの悲劇を生みました。

偉大な数学者が
同性愛によって受けた制裁

私たちが使っているコンピュータの理論的基礎を築いたアラン・チューリングというイギリスの偉大な数学者、彼は同性愛者でした。イギリスでは同性愛は違法とされていたため、警察に逮捕されたのちに有罪となり入獄するか、強制的な女性ホルモンの投与を受けるかを迫られました。

彼が選んだのは後者。このことで彼は転職せざるを得なくなるなどの、多大な社会的損失を蒙り、身体的にも苦しみました。

1954年。41歳で亡くなりましたが、青酸カリによる自殺だとされています。

自然界では
同性愛も普通?

「同性愛などということは、人間だけのやる異常な行為だ」と思っている方も多いかもしれません。しかしそれは違うのです。同性愛的行動は、ありとあらゆる動物に普遍的に見られ、何百種類の生き物について学術的な報告があります。

とはいえ、動物に「あなたはホモセクシュアルですか?」と聞いて本人の自己認識を確認できないので、「同性愛」そのものとは異なる「同性愛的行動」となります。

「問題」を
繰り返さないために

もちろん「動物界で普遍的だから、人間がやっても受け入れられるべきだ」という議論も間違っています。自然は人間の倫理の手本にはならないのです。ただ、人間の本性を人間が抑圧すると、ロクなことにはならない、ということは覚えておくべきだと私は考えています。

どこかを抑え込めば、どこかから噴き出す。噴き出したものを抑えこむと、「問題」は見えなくなりますが、そのエネルギーはどこかに溜まり、やがて別のところにより大きな「問題」として噴き出します。こんなことを繰り返していれば、収拾がつかなくなってしまいます。

すべての人間が、同性愛的側面を持っているはずです。

とすれば同性愛に対する抑圧は、人間社会の厄介ごとを増やす、反社会的な暴力だ、と私は思うのです。

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