紙を使って、自由に遊びましょう!
「紙」は、その存在を意識することがないほどに、私たちの暮らしのなかに浸透していますが、パソコンやスマートフォンが当たり前となった今、紙に触れることが少なくなったという声をたくさん耳にします。手触りや、においなど、五感を刺激する紙の魅力をもう一度、発見してみませんか。東京・六本木のリビング・モティーフで開催中の『かみの重力展』より、紙の可能性を感じるすてきなアイデアをご紹介します。
植物のようなテクスチャーで
紙そのものを作り上げました。
田村奈穂さんによる「BOTANICA」。木の皮を連想させるような、植物のテクスチャーをイメージして、紙の素材そのものを作り上げました。手紙を書いたり、プレゼント用にラッピングしたり、ティーマットとして使っても素敵です。使うシチュエーションによって変わる表情を楽しみましょう。
ドライフラワーのための一輪挿し。
原田祐馬さんによる、ドライフラワーのための一輪挿し「TINT」。ドライフラワーは、吊るしたり、そのまま飾ってしばらく置いておくと、どうしても埃をかぶってしまいます。それを払拭するため、こんなふうなデザインが生まれました。ピーチコートという透ける素材の紙を使っているので、窓辺に置くと、光によって内面の色が反射し、とてもきれい。また新たな命が宿ったようです。
意外と力もち!
画鋲で取り付ける、かんたんシェルフ。
トラフ建築設計事務所による「A4 SHELF A3 SHELF」。A4サイズと、A3サイズの紙でできたシェルフで、折ることによって強度が強くなり、画鋲で気軽に壁に取り付けることができます。たとえば、2リットルの水を3つ並べても大丈夫。小物置きとしても、飾り台としても、使い方はいろいろと楽しめます。
影をそのままグラフィックにした
メッセージカード。
三澤遥さんによる、影をグラフィクに落とし込んだメッセージカードです。1枚の紙を折りたたんでいくと、影が生まれます。その影のできる角度を、何パターンも見比べて、発見したのが、20°という角度。この角度から生まれる影の美しさをそのまま生かしました。トレーシングペーパーの封筒までついています。
ゆらゆら、生き物みたいに動くのです。
スイッチデザインによる「ころがり虫のうごきの観察」。まずは、「ころがり虫」を組み立ててみましょう。出来上がったら、付属の坂の上からころがして動き方を観察してみます。なめらかで、やわらかな動きを見ていると、これが紙で出来ているだなんて、思えません。ころころ、ゆらゆら。あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。何度見ても飽きることがありません。
紙には、しっかりとした重みがあります。1枚のときには感じなくても、何枚か重ねると、想像以上の重みを感じるものです。そんな「紙の重み」を様々な角度から捉えると、一体、どのような紙製品が生まれるのでしょう。紙にできることはもっとあるのではないかと、紙の可能性を追求し続けている「かみの工作所」とデザイナーたちによる研究結果。身近なものでも、こんなふうに変身するものなのだと、新しい気づきをたくさんいただけます。