NYの街を300人が自転車でおつかい!その「ほっこり」な目的とは?

11月19日の午後2時。「GO!」の合図と共に、米ニューヨークのハドソン・ヤードからサイクリストたちが一斉に走り出しました。向かう先はスーパーマーケット。

参加者たちはそこで少額の食品を買うと、また次の店へと走り去っていきます。これは、「Thanksgiving」ならぬ「Cranksgiving」という自転車レースなのです。

参加することが寄付になる
「自転車レース」

自転車の「Crank」と感謝祭の「Thanksgiving」から名付けられた「Cranksgiving」。このレースは、毎年感謝祭前の週末にニューヨークで行われているもので、今年は300人が参加したそうです。

ポイントラリー型のお買い物レースで、スーパーマーケットがチェックポイント。食品を1点購入したら、次の店へ。参加者はリストアップされている店を5つ選び、自分でルート設定をします。先に回り終わってゴールした人が優勝です。

「Cranksgiving」には参加費は要りません。10~15ドルほどの買い物の費用が、参加費の代わりです。参加者たちは、レースで購入した食品を、フードバンクやシェルターなどの慈善団体へ運びます。そして食品はすべて感謝祭の食事として、ホームレスなど、食事に困っている人々へ配布。今年は1.3トンもの食品の寄付が集まったそう。

つまり「Cranksgiving」は、レース形式のボランティア活動なのです。

「少しでも感謝祭の気分を
味わって欲しい」

そもそも感謝祭は、家族や仲間で集まって、毎日のしあわせについて感謝する日。

「Cranksgiving」は、メッセンジャーが、ホームレスなどの人々にまともな食事をとってもらうことで、少しでも感謝祭の気分を感じてほしいと始めた活動。1998年からニューヨークで始まったこのレースも、今では全米各地で開催されています。今年は海をまたいでイギリスでも開催されたということです。

参加することが、見知らぬ誰かにちょっとした感謝のおすそ分けになる。そんな、感謝祭の精神にふさわしいステキな自転車レースのお話でした。

Licensed material used with permission by Nirma Hasty
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