日本3号店に「鎌倉」を選んだ、ダンデライオン・チョコレートが大切にしていること

どの改札から外に出るかによって、まったく異なる表情を見せる街がある。個人的には、鎌倉もそのうちの一つだと思う。

東口はもう、完全に観光客向け。多くの人が目指す鶴岡八幡宮。食べ歩きの聖地と言っても過言ではない小町通り。土産物屋がひしめく若宮大路を歩いていると、いまどきのコーヒースタンドを見かけるようにもなった。

一方、西口。こちらは、どちらかというと地元民のためのエリアだ。

たしかに、プールと藤棚を備える「スターバックス」や、築50年のアトリエと緑豊かなガーデンテラスからなるレストラン「GARDEN HOUSE」は、相変わらずの人気スポットではある。和風キーマカレーがウリの「OXYMORON」(小町通りにもある)と、チョコレートを溶かしながら食べるスタイルが話題の「Bonnel Cafe」は、今や“インスタ女子”注目の的だ。でも、それなりに観光客はいるものの、流れている空気が東口とは明らかに違うのが分かる。

さて、このたび「ダンデライオン・チョコレート鎌倉店」がオープンしたのは、そんな2つの空気が交差する場所。西口から徒歩1分、東口から出ても、2分歩けば十分に到着する絶妙な立地条件だ。

朝食にぴったりの
「鎌倉店限定メニュー」も

オープンは、去る2月9日(木)。2016年12月に誕生した「ダンデライオン・チョコレート伊勢外宮前店」に続く日本3号店となった。

ここで味わえるのは、本店である東京・蔵前で一枚ずつ作られたチョコレートバーやペストリー、ドリンクなど。さらに、3店舗の中でもっとも早い開店時間(8時)を生かし、軽い朝食として「ダンデライオン・チョコレート・クロワッサン」「グラノーラ」を提供しているそう。ちなみにこの2つは、鎌倉店でしか食べられないメニュー

ところで、
なぜ「鎌倉」なのか?

そもそも彼らには、「働く人が気持ち良く仕事ができる場所に店舗を作る」というポリシーがあるのだそう。それは、働き手のポジティブな雰囲気が、店を訪れた人にも良い形で伝わると考えているから。

その軸から、もともと鎌倉に出店したいと考えていたようで、観光客が押し寄せる小町通りではなく、雰囲気のある素敵なエリアはないものかと探していたところ、不思議な静けさのある建物が見つかったのだという。

「ダンデライオン・チョコレートが牽引しているクラフトチョコレートというムーブメントが、単なる流行りのものではなく、カルチャーとして地域に根付いていくことを願っています。

そのためには、クラフト文化の価値を受け入れ、認めてくれるコミュニティが重要です。自然と歴史のある街、職人が生きている街、情緒のある街などに落ち着くのではないでしょうか

蔵前、伊勢、鎌倉といった、いわゆる「流行の最先端エリア」とは異なる、歴史情緒あふれる街に出店を続ける彼ら。その背景についてのコメントは、説得力を伴ってこちらの耳に響いてくる。

2階カフェ席の開放的な窓からは、鎌倉駅のホームが見える。逆にいうと、向こうから見える景色も変わったことになる。

鎌倉の“空気”が変わる、ちょうど境目に生まれたこの店が、人の流れを含め、それぞれのエリアにどのようなインパクトを与えるのか。そして、クラフトチョコレートをカルチャーとして定着させることができるか。個人的に注目していきたいと思う。

【店舗概要】
ダンデライオン・チョコレート鎌倉店
・住所:神奈川県鎌倉市御成町12-32
・席数:30席
・営業時間:8:00~20:00(L.O.19:30)
・営業日:不定休

Licensed material used with permission by DANDELION CHOCOLATE
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。