難民の生活を変える。4時間で完成する「イケアシェルター」とは?
ニュースでは、ヨーロッパ各国が難民受け入れ問題で混乱していたり、アメリカでもトランプ大統領がその受け入れを制限したりと、世界的に大きな話題となっている、難民問題。
そんななか、ご存知「イケア」が提案するのは、難民を支えるための「短時間で建てられるシェルター」。「Better Shelter」といい、なんと4時間で完成させることができるというのです。このシェルターが、テレンス・コンランが創設したロンドンのデザイン・ミュージアムによる「2016年最優秀デザイン賞」に選ばれたことで、改めて脚光を浴びています。
子どもたちが安心して
眠れる環境を
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様々な社会問題に取り組む、IKEA Foundationと、難民を支援する国連UNHCR協会。彼らの協力体制は2010年から始まり、子どもたちの暮らしを向上させることに重点を置いて活動しています。
なかでも力を入れてきたのが、難民たちの住居問題。世界にはおよそ6,000万人も行き場を失った人たちがいると言われていて、その半分が子どもたちなのです。
そこでイケアのスウェーデン人デザイナーが、創業時から蓄積してきたノウハウを集約し、難民キャンプでも子どもたちが安心して眠れるようにと、テントに代わるシェルターを考案。
4時間で完成する
家族のプライベート空間
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一番大きな特徴は、たった4時間ほどで完成するというところ。たとえば仮設住宅だと、着工から入居まで一ヶ月以上かかってしまうこともあります。
もちろん、仮設住宅とシェルターでは完成度などが大きく異なるとはいえ「すぐに入居できる」という時間的メリットは、彼らにとって計り知れないほど大きいはず。
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もうひとつは、鍵がかけられるというところ。テントとは違い「ドア」がついています。見ず知らずの人々がたくさん集まる難民キャンプで、家族のプライベート空間を確保することができるのです。
幼い子供が勝手に外に出て行ってしまうようなトラブルも防ぐことができ、両親も安心できるそう。
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また、屋根には太陽光パネルも設置されていて、室内でテレビを見ることもできるとか。
学校施設などにも
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このシェルターは、生活空間としてだけではなく、難民キャンプでの学校施設としてなど、さまざまな活用方法が見込まれています。
日本でも2011年、3.11に東日本大震災が起きたとき、仮設住宅が完成して希望者の募集が行われるまで、約一ヶ月後もかかったそうです。そして、36戸の仮設住宅に50倍以上もの応募が殺到。もしもこのとき、4時間で完成するシェルターがあったら…。より早く、多くの人が、安心できる生活を送れていたのかもしれません。