難民のために生活用品を買えるショップ。その名も「CHOOSE LOVE」。

民家の窓から街じゅうに、暖かい光が溢れ出すこの季節。身近な人と幸せを分け合うだけで今年を終わらせてもいいのだけど、イギリスのNGO団体「Help Refugees」がこの時期に合わせてプロモーションしているお店でできることは、そこらのサービスとは一味違う。

彼らが販売しているのは「難民のためのギフト」。このお店では、難民が実際に使用している生活用品を彼らのために購入することが可能なのだ。

世界の誰かに幸せを。

ロンドンにオープンしたこのお店の名前は「CHOOSE LOVE(愛を選べ)」。

お店の中に入ったお客さんは、普通のギフトショップと同様に買いたいものを選んでお金を払う。とは言っても買った物を持って帰ることができるわけではなく、ただ彼らへの「ギフト」としてそれにお金を払い、お客さんではなく難民たちに実際に買ったものが届けられるというシステムなのだ。

購入品があまりにも偏ってしまった場合は運営側が物資のバランスを調整するけれども、どのみち全ての売り上げは、数週間以内にヨーロッパと中東の難民たちのために役立てられることになるという。

当たり前に屋根があって、ベッドと毛布もあって、寒さをしのいで寝ることができるというのがどんなに幸せなことなのか、意識せずにいるのは本当に簡単なことです。数千もの難民たちにとって、この冬は本当に辛く、耐え難いもので、人間として最低限度の生活をすることすら難しいのです。

テーブルに並べられた商品は「到着」(災害用毛布、暖かい衣料品、食料など)「シェルター」(テント、寝袋、衛生パックなど)「未来」(教材、辞書、鍵など)の3つのセクションに分けられている。難民の旅の流れをよりリアルに感じられるようにという工夫だ。商品は自由に手に取って、細かに観察することもできる。

このお店は、いたってシンプルな考えによってできています。寒い冬を越す彼らに手を差し伸べたい。彼らの需要を少しでも満たしたい。そういった私たちの想いです。

クリスマスやお正月といった、贈り物の増えるこの季節に大きく宣伝を打ったのも意図的なものです。最新のガジェットや流行りの服の代わりに、簡素だけれども、誰かの人生を繋ぐかもしれないアイテムを販売したら、みなさんは何を思うのか?それが知りたかったのです。

昔、あるイベントで、難民について考えるためのカードゲームをしたのを覚えている。上着やライター、携帯、現金、缶詰などが書かれたカードのうち数枚を限られた時間で選び、旅の途中でそれを消費したり捨てて行ったり、またはそれがないために脱落しなければならないというゲームだった。あっという間に人が次々と減ってゆき、結局ほんの数人しか残ることはできなかった。

子供用のコートや缶詰や、医療用品パックといったもののために私たちが払うお金は、とても高いというほどのものでもない。けれども、それがあるかないかによって、人生が変わる人がこの世界に、今たくさんいることは間違いない。このショップはそのことを私たちに毅然とした態度で見せてくれているようでもある。

運営は店舗に行けない人からも協力を募るべく、オンラインストアを用意して多様な品を揃えているという。また商品を選ばずに寄付をしたいという人のためにもサイトを設けているそう。

一年の締めくくりに、誰かと幸せを分かち合う季節。少しだけ踏み込んで、地球のどこかの、名も知らぬ人へ送る愛を選んでみては。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。