自然と、ちょっと向き合う。「雨を降らせる家」に込められたメッセージ
蛇口をひねれば水が出ることに慣れてしまっている私たちは、その循環を体感することなんてそうそうない。というより、その必要もなくなってきていると言えるかも。でも、野原に現れたこの一風変わった家の椅子に座ると、不思議な体験が私たちの感覚を呼び覚ますみたいだ。
揺り椅子がスイッチ
座ると雲から雨が降る
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この建物は「CLOUD HOUSE」。中にある揺り椅子に座ることで、屋根に取り付けられた雲のオブジェから雨を降らすことができる。
仕組みは単純明快。この家に自然の雨が降ると、屋根に当たった水が地下のタンクに貯蔵される。人が椅子に座るとそれがスイッチとなって、水が上に送られ、設置された雲から再び雨となって降り注ぐ。一種のリユースというわけ。
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でも、どうしてこんなものを作ったのだろう?
実はこの家、屋根を叩く雨の音を楽しめるだけじゃなく、水についてちょっと立ち止まって考えるきっかけをくれるのだ。
「雨を収穫」する流れを
もう少し深く見つめてみる
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この家について、製作者のMatthew Mazzottaさんはこう述べている。
「この『雨を収穫するシステム』は、僕らの食べ物を作っている自然の仕組みを描いているんだ」。
たしかに「溜まる、上に行く、降る」という単純な構造は自然界の水循環の仕組みに似ている。私たちが普段摂取する食べ物も、こうした水の流れによって生み出されているのだ。
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雲から雨が降ると、窓際の植物に水が染み出していく仕組みになっているのも、そのことを意識させようとしてるのかもしれない。
開放的な構造、木をメインに用いたシンプルなデザイン、自然に習ったシステム。雨水を再利用したアートとして、この家は不可思議な雰囲気を醸し出しつつも周囲にうまく馴染んでいる。ここで水の音に耳を済ませたら、自然の中に自分も溶け出していくような気分になりそうだ。
「水」から「自然」を
感じるひと時
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雨水を集めて降らせるシステムなので、降水量の少ない年には椅子に座っても雨が降らない。この家は自然を率直に映し出している。普段何気なく、思うままに使っている水だけど、その流れを見つめなおすだけで、生活に対するいろいろな面での向き合い方も変わりそう。
詳しい動きは、以下の動画でぜひ確認を。