世界初、民間の「宇宙飛行士訓練センター」
日進月歩で研究が進み、ますます宇宙への進出が現実を帯びてきました。とはいえ宇宙に出るには当然、特別な訓練が必要です。
今までは選ばれた数少ない宇宙飛行士しかそのトレーニングを受けられませんでしたが、その現状を大きく変える施設の建設が始まっています。
2019年、イギリスに。
宇宙飛行士向けトレーニングセンター「Blue Abyss」が、2019年にイギリスにオープン予定です。
今まで宇宙飛行士のための訓練センターは、アメリカのジョンソン宇宙センターやロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターなど、国営のものしか存在しませんでした。しかしこれは、世界初の民間施設。世界中から注目が集まっており、各国の研究機関や企業とも提携して運営される予定です。
1億2,000万ポンド(約175億円)の費用を投じ、イギリス・ベッドフォード州の英国空軍跡地に建設されます。
施設の中には、微小重力環境や高重力環境などに慣れるための訓練設備や、世界最深50mのプール(宇宙空間での作業環境に近い環境を実現するための深さだとか)などが完備される予定。ちなみに巨大プールは、深海探検家やダイバーの訓練施設として、また深海におけるロボットのテスト現場としてなど、幅広く活用される予定です。
会議室や120室の宿泊施設も完備され、長期にわたる研究や訓練でも快適に過ごすことができるよう配慮されています。
イギリスは「Blue Abyss」の建設を受け、世界の宇宙産業における同国の存在感を、2030年までに10%まで上げることを目標に掲げています(※2009年時点では6%)。また2017年6月には『宇宙産業法案』を提出。この法案が可決されれば、宇宙港の建設、垂直ロケットの打ち上げ、宇宙飛行機のライセンス取得のための権限が与えられます。
宇宙開発は今後、イギリスの産業の大きな一部分を担っていくのかもしれません。