「台式春画」に見る、台湾のなかのニッポン。
「犬去りて、豚来る(中国語:狗去豬來)」
かつて、50年に及び日本の統治下にあった台湾。日本のあと蒋介石率いる国民党軍が、中国大陸から接収しにやってきた際に、台湾の民衆が2つの国を対比して、こう表現しました。
キャンキャンとうるさく吠えてはいたが、日本人は文明、文化、教育を根付かせた。かたや汚職や腐敗、利権を豚のようにむさぼる国民党軍。比べてみれば昔のほうがはるかにマシ、そんな皮肉が見え隠れする言葉です。歴史をていねいに紐解いていけば、親日派が多いと言われる台湾の断片が見えてきます。
と、前置きが長くなりましたが、ここに紹介する台湾人アーティストPigo Lin(皮哥)も、「多分に日本のカルチャーに影響を受けた」んだそう。それが、この台湾版「エロチカ(春画)」です。
春画にも表れる“親日”
統治時代がもたらしたもののなかに「性文化」があったかどうかは定かではありませんが、Linは広重や歌磨ら浮世絵師のほか、佐伯俊男や丸尾末広ら、現代イラストレーターの影響も多分に受けているんだとか。
ユーモアとちょいエロ、それ自体は日本の春画(笑い絵)と何ら変わらないってことがよく分かりますよね。